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金価格の下落幅ランキング(2024年7月26日更新)

2024.07.26

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

投資家の皆さんはよくご存じだと思いますが、7月25日の相場は株式、為替市場を中心に大きく値を崩す展開となりました。

もちろん、コモディティ市場も例外ではありません。7月25日の金先物市場も大きく値を崩す展開になりました。

金先物取引相場表(2024年7月25日)

※FITS匠取引画面より

すべての限月が大きく値下がりしており、先限である6月限は350円も値を崩す展開となりました。ニューヨークの金先物価格が大きく値を崩したことに加え、為替が円高に推移したことが、国内価格の大幅下落の要因です。

金は、安全資産の代名詞のように言われていることが示すように、比較的価格変動が少ない商品です。今回の350円安という値下がりがどのくらい珍しいことなのか調べてみました。

表1. 金先物(標準)の下落幅ランキング

ランキング 日付 始値 高値 安値 終値 前日比
1 2011/9/26 4363 4363 3851 3877 -502
2 2013/4/15 4981 4990 4532 4592 -409
3 2024/7/25 12061 12069 11621 11703 -350
4 2020/8/12 6838 6838 6412 6496 -345
5 2024/4/23 11731 11763 11425 11467 -306
6 2024/6/10 11883 11894 11552 11610 -286
7 2013/4/16 4554 4571 4132 4339 -253
8 2022/7/6 7878 7879 7622 7635 -253
9 2024/5/23 12165 12193 11901 11927 -244
10 2020/9/23 6587 6594 6358 6358 -238

※作成:フジトミ証券

今回記録した350円安というのは、過去30年間で3番目に大きい下げ幅でした。ちなみに30年間で最も値下がりしたのは2011年9月26日(月)に記録した前日比502円安です。350円という値下がり幅は、それだけインパクトのある値下がりだったと言えます。

ちなみに、先ほど見た下降幅を下降率で見直すと違ったものが見えてきます。

表2. 金先物(標準)の下落幅ランキング(+下落率)

ランキング 日付 始値 高値 安値 終値 前日比 下落率
1 2011/9/26 4363 4363 3851 3877 -502 11.5%
2 2013/4/15 4981 4990 4532 4592 -409 8.2%
3 2024/7/25 12061 12069 11621 11703 -350 2.9%
4 2020/8/12 6838 6838 6412 6496 -345 5.0%
5 2024/4/23 11731 11763 11425 11467 -306 2.6%
6 2024/6/10 11883 11894 11552 11610 -286 2.4%
7 2013/4/16 4554 4571 4132 4339 -253 5.5%
8 2022/7/6 7878 7879 7622 7635 -253 3.2%
9 2024/5/23 12165 12193 11901 11927 -244 2.0%
10 2020/9/23 6587 6594 6358 6358 -238 3.6%

※作成:フジトミ証券

2024年7月25日に起きた350円安の下落率は、2.9%でした。変動率でみるとそれほど高くないことがわかります。実際、過去最も下落した2011年9月26日の下げ幅は11.5%でした。

現行ルールにおける金先物市場の値幅制限は、通常制限値幅が5%、第一次拡大制限値幅が10%、第二次拡大制限値幅が15%と定められていますので、350円(2.9%安)という変動は、値幅制限(俗にいうストップ安)にも達していないわけです。

下落率はそれほどでもないのに、下落幅が過去30年で3番目に大きなものになってしまったのは、現在価格によるものです。

金先物チャート

(出所:TradingViewによる金先物チャート

金先物価格は、2024年3月に1万円を上回り、4月以降12,000円を挟んだ展開が続いています。過去と比較し、価格が上昇した分、大幅な値下がりが起こりやすくなっています。

例えば、3,000円で取引されているものが300円値下がりし2,700円になるということは、10%の値下がりですが、12,000円のものが300円値下がりして11,700円になるということは、2.5%の値下がりでしかありません。

もう一度表1. 金先物(標準)の下落幅ランキングを見てみると、ワースト10の中に2024年の変動が4件記録されています。価格上昇の影響が確認できますね。

商品先物取引に限らず、FX、CFDなど、証拠金を使った取引をメインとしている投資家は、どうしても「値幅」に注目してしまいますが、現物市場がある以上「変動率」を意識しておかないと想定以上の値動きに振り回されることになりかねません。

これは、為替でも株価指数でも同様のことが言えます。取引している銘柄の変動率を理解した上で取引し、想定外の損失を被らないよう心がけてください。

今回は、金先物取引の値下がり幅と変動率についてお伝えしました。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。

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