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8月の米・消費者物価指数とFOMCへの影響

2024年09月12日

皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。

2024年8月の米・消費者物価指数(CPI)が発表されました。前年同月比では2.5%の上昇、前月比では0.2%の増加となりました。

米・消費者物価指数の変動

米・消費者物価指数(前年同月比)

(出典:米・労働省)

米・消費者物価指数(前月比)

(出典:米・労働省)

2024年6月以降、前年同月比では一段低い水準で推移しており、物価の上昇圧力はやや和らいできているように見えます。前月比については、直近12か月の平均増加率が0.22%であったため、今回の0.2%増加はほぼ平均的な結果となっています。

このような物価変動が安定している状況は、ある程度物価上昇が抑えられてきていると判断できるでしょう。

政策金利への影響

次に、投資家にとって重要なのは、この物価変動が政策金利の決定にどのような影響を与えるかです。以下のグラフは、過去30年間の政策金利と消費者物価指数(CPI)の変動を示しています。

米政策金利と消費者物価指数(CPI)

(※Bloombergデータ、米労働省労働統計局を元にフジトミ証券が作成)

グラフを比較すると、現状では政策金利が消費者物価指数を上回っていることが確認できます。このような状況下では、消費者が消費を控え、貯蓄や預金にお金を回す傾向が強まることが予想されます。例えば、100ドルを預金すれば1年後には105.5ドルになり、100ドルの商品が102.5ドルに値上がりしても、差額の3ドルを手元に残せるという計算になります。

もちろん、すべての消費者が合理的な判断をするわけではありませんが、政策金利と物価のギャップが広がれば広がるほど、消費行動が抑制されやすくなります。

FOMCの注目点

9月17日〜18日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利についての判断が注目されています。物価上昇の圧力が抑えられている一方で、金利が消費者行動にどの程度影響を及ぼしていると判断されるかが焦点です。

現時点では、市場のマインドは非常に敏感で過剰反応しやすい状況です。政策金利が据え置きになるのか、それとも引き下げられるのか、いずれにしても市場の反応は極端な値動きになる可能性があるため、慎重に注視する必要があります。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものではありません。ご了承ください。


参考文献:
米・労働省

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