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5月雇用統計の改善と人種別失業率

2020年06月08日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

先週末発表された雇用統計は、ビックリな結果でした。
事前予想では、失業率19.0%、非農業部門雇用者数が750万人の減少とのことでしたが、結果予想も良い結果となり失業率13.3%、非農業部門雇用者数が250.9万人の増加となりました。

事前予想と実際の結果の乖離は激しく、予測よりも1000万人も雇用者数が多かったということになります。

予想と結果が真逆の結果になりましたが、これはアメリカのお隣カナダでも同じような結果になっています。

カナダの失業率は事前予想が15.0%、雇用者数が50万人の減少でしたが、結果は、失業率が13.7%、雇用者数が28.96万人の増加と、こちらもポジティブ・サプライズとなりました。

新型コロナウイルスの影響から、多くの国で経済活動が制限されている訳ですが、アメリカの5月の雇用は、大幅に改善しており、エコノミストが考えていたほど、抑制されていなかったということになってしまいます。世界で最も感染者が多い国アメリカですが、なかなか感染者数が減少してこないのも仕方がないのかもしれませんね。

さて、アメリカでは、黒人男性が白人警察官に首を圧迫死させた事件以降、各地でデモがおきており、人種による失業率についても問題視されています。

せっかくの機会なので、人種によって失業率がどう違うのか振り返ってみたいと思います。

直近の人種別失業率はご覧のようになっています。

人種別失業率

※出典:米労働省

今回の失業率は13.3%だった訳ですが、人種別にみれば、白人の失業率はTOTALの13.3%よりも低い12.%で、それ以外の人種に関してはTOTALよりも悪い結果になっています。

黒人差別に関する報道がメディアではクローズアップされていますデータで見てみるとどうなのか。

下のグラフは、リーマンショック以降の人種別失業率の推移です。

リーマンショック以降の人種別失業率の推移

グラフを見るとメディアでも取り上げられている通り、黒人の失業率が他の人種に比べて高いことが分かります。過去の推移を見てみるとたまたま悪かったという訳ではなく慢性的に悪かったということが分かります。溜まっていたストレスとやり場のない怒りが今回のデモを拡大させたのかもしれません。

コロナ騒動の影響に限って分析してみると、違った見方もできます。
水色のラインがTotalの失業率で、そのラインよりも少ない数値で推移していたのが白人とアジア人でした。特にアジア人は、ずっと低い数値だった訳ですが、コロナショックによって、多くの人が職を失った結果、失業率は15.0%とTotalよりも悪い結果になってしまいました。

また、ヒスパニック・ラテン系の人達も大きな影響を受けており、5月の失業率では、黒人の16.8%を上回る17.6%となっています。

また、4月との変化も印象的な結果になっています。
白人とヒスパニックの失業率は4月から5月にかけて改善していますが、黒人とアジア人の失業率は悪化してしまっています。人種によって就業している業種が異なり、その違いが失業率にも影響しているのかもしれませんね。

今後どうなって行くのでしょうね。

今日は、人種別失業率についてお伝えしました。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・米労働局
https://www.bls.gov/

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