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2020年の経済成長率と投資先

2020年01月10日


皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

年始早々、緊迫したイラン情勢に振り回される乱暴な相場展開が続いています。今のところ本格的な武力衝突は避けられているようですが、中東情勢の緊迫は地域経済やエネルギーマーケットに大きな影響を及ぼしますので、世界経済にとってあまり良いことではありません。

今後どうなっていくのでしょうね。

さて、1月8日、世界銀行は2020年の経済成長率を発表しました。

2020年の世界経済成長率は昨年の大幅な弱さから徐々に回復し、2.5%に達するだろうとの予測になっています。

経済成長率は投資をおこなった時のリターンにも影響を及ぼしますので、経済成長率が加速したり減速したときは、おこなっていた投資先の見直しが必要になります。専門用語ではリバランスともいいます。

今回は、リバランスする際の役に立つよう今後の世界経済がどうなると世界銀行が予想しているのかを見ていきたいと思います。

世界銀行が発表している経済成長予想では2年先までの予測が掲載されていますので、投資先の選定をする際に活用できます。

例えば、先進国の経済発展はご覧のような予測です。

先進国の経済成長

2019年 2020年 2021年 2022年
世界 2.4 2.5 2.6 2.7
先進国 1.6 1.4 1.5 1.5
アメリカ 2.3 1.8 1.7 1.7
ユーロ圏 1.1 1.0 1.3 1.3
日本 1.1 0.7 0.6 0.4

出典:世界銀行

2020年が1.4%成長、2021年が1.5%成長、2022年が1.5%成長となっていますが、その数値をけん引しているがアメリカ経済です。アメリカは先進国平均を上回る成長率となっています。逆に成長率が低いのが日本です。日本の成長率は2020年が0.7%、2021年が0.6%、2022年が0.4%成長となっています。アメリカやユーロ圏は日本の成長率よりも高いので為替リスクがありますが成長率が高い国に投資するのであれば日本以外の国に投資した方が大きなリターンが期待できます。

先進国よりも高い成長率になりそうなのが新興国と発展途上国です。

新興国と発展途上国の経済成長

2019年 2020年 2021年 2022年
新興市場と発展途上国 3.5 4.1 4.3 4.4
東アジア 5.8 5.7 5.6 5.6
ヨーロッパ・中央アジア 2.0 2.6 2.9 2.9
ラテンアメリカとカリブ海 0.8 1.8 2.4 2.6
中東と北アフリカ 0.1 2.4 2.7 2.8
南アジア 4.9 5.5 5.9 6.0
サハラ以南アフリカ 2.4 2.9 3.1 3.3

出典:世界銀行

2020年、先進国の成長率は1.4%ですが、新興国と発展途上国は4.1%ですのでより大きな経済成長を期待して投資するのであれば新興国や発展途上国に投資した方が大きな結果が期待できます。ただし、新興国や発展途上国に投資する際に注意しなえればならないのがリスクです。政治的リスク、流動性リスク、為替リスクなどは経済規模が小さい国の方が大きくなります。いずれのリスクも傾向としては経済にマイナス方向に影響することが多いのでポートフォリオを構成する際には、新興国への投資ボリュームは小さくするのがセオリーです。

また、新興国、発展途上国であればどこでもいいという訳ではなさそうです。高い成長率になりそうなのが東アジア、南アジアでその地域は、新興国と発展途上国の平均を上回っています。

実はこの結果、半年前(2019年6月)に予測したものよりも下方修正されたものになっています。

世界経済の発展、2019年6月予測との差分

2018年 2019年 2020年 2021年
世界 0.0 -0.2 -0.2 -0.2
先進国 0.1 -0.1 -0.1 0.0
アメリカ 0.0 -0.2 0.1 0.1
ユーロ圏 0.1 -0.1 -0.4 0.0
日本 0.0 0.3 0.0 0.0
新興市場と発展途上国 -0.1 -0.5 -0.5 -0.3
東アジア 0.0 -0.1 -0.2 -0.2
ヨーロッパ・中央アジア 0.1 0.4 -0.1 0.0
ラテンアメリカとカリブ海 0.1 -0.9 -0.8 -0.3
中東と北アフリカ -0.6 -1.2 -0.8 0.0
南アジア 0.1 -2.0 -1.5 -1.2
サハラ以南アフリカ 0.1 -0.5 -0.4 -0.4

出典:世界銀行

ほとんどの国と地域が前回よりも下方修正されました。

特にラテンアメリカとカリブ海地域、中東と北アフリカ地域、南アジアなどの下方修正が大きくなっているのも気になりますね。

今回発表された2020年、2021年の予測前回よりも厳しくなっているようです。
2020年どんな一年になるでしょうね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・世界銀行
https://www.worldbank.org/

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