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コラム

マーケット情報

1月のOPECの減産とイランの生産量

2019年02月13日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

OPECから2月のMonthly Oil Market Reportが発表されました。

昨年12月7日にOPECとロシアなど非OPEC加盟国との間で結ばれた120万バレルの協調減産の内80万バレルがOPECの持ち回り分でしたがその減産がきちんと実施されているのかどうか。気になるところです。

早速ですが、今回発表された生産量はご覧のとおりです。

Nov-18 Dec-18 Jan-19 前月比
サウジアラビア 11,021 10,562 10,213 -349
イラク 4,626 4,712 4,669 -43
UAE 3,274 3,223 3,078 -145
イラン 2,921 2,758 2,754 -4
クウエート 2,772 2,800 2,710 -90
ナイジェリア 1,731 1,740 1,792 52
アンゴラ 1,498 1,491 1,416 -75
ベエズエラ 1,183 1,165 1,106 -59
アルジェリア 1,056 1,050 1,041 -9
リビア 1,107 947 895 -52
エクアドル 522 521 515 -6
コンゴ 310 331 310 -21
ガボン 170 194 193 -1
ギニア 121 110 117 7
Total 32,312 31,603 30,806 -797

※単位は日量1000バレル(Monthly Oil Market Report2月より)

 

昨年12月の生産量と比べ79.7万バレルの減産に成功しました。最も生産量減少に貢献したのはサウジの34.9万バレルで減算全体の43%がサウジによるものです。ただ、見方を変えると、違ったものが見えてきます。

もともとサウジは原油生産量が多い国でOPEC生産量の約3分の1がサウジによるものでした。今回、サウジは34.9万バレルの減産をしましたが、これを減少率で見ると3.30%に相当します。

実はサウジの3.30%よりも多くの割合を削った加盟国はいくつもあります。UEAの4.50%、アンゴラの5.03%、ベネズエラの5.06%、リビアの5.49%、コンゴの6.34%などがそれに当たります。

生産ボリュームがそれほどない国もきちんと減産したことで79.7万バレルの減産が達成できました。OPECの団結力の強さを感じられます。

今回発表されたデータの中で気になるのがイランを取り巻く状況です。

イランはアメリカから経済制裁を受けており、昨年11月5日からイラン産原油の禁輸制裁が行なわれる予定でしたが、日本など一部の国に関しては180日間の猶予が設けられました。

11月5日から180日間というと5月4日ですので、日本の10連休中までが猶予です。
それまでにイラン産原油の輸出入を停止する必要がありますので段階的に減らしていくのが通常のやり方だと思いますが、直近3ヶ月の生産量に変化は見られませんでした。
1月のイラン産原油の生産量は、前月比0.4万バレル減、減産率では0.15%ですので、イランは減産量、減産率ともに他の加盟国が実施した減産よりも負担が少なかったようです。

今後どうなっていくのでしょうね。今日はOPEC加盟国の減産についてお伝えしました。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・OPEC
https://momr.opec.org/

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