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雇用統計-コロナ禍でも好調な産業とは?

2021年09月06日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
先週末に発表されたアメリカ非農業部門雇用者数は23.5万人増となり、予想の73.3万人増を大きく下回る結果になりました。直近1年間の変動をグラフにしたものが次のデータです。

アメリカ非農業部門雇用者数

出典:米労働省

グラフが示すとおり、5月以降の雇用者数は毎月50万以上の増加が続いていましたが、今回発表された8月の雇用者数の増加は23.5万人でした。いったい何が原因だったのでしょうか。

今回は、産業別の増減について調べてみました。

雇用統計-産業別雇用者数-2021年8月

8月 前月比 2020年2月比
非農業全体 147,190 235 -5,333
民間全体 125,145 243 -4,543
鉱業と伐採 644 6 -46
建設 7,416 -3 -232
製造 12,421 37 -378
卸売業 5,722 1 -173
小売業 15,325 -29 -285
運輸・倉庫業 5,845 53 22
資源 537 -1 -10
情報 2,764 17 -150
金融 8,846 16 -29
プロフェッショナルビジネスサービス 21,001 74 -468
教育とヘルスケア 23,660 35 -905
接客業 15,216 0 -1,699
その他サービス 5,748 37 -189
政府系 22,045 -8 -790
連邦政府 2,888 3 25
州政府 5,060 -25 -243
地方政府 14,097 14 -572

出典:米労働省

変化の度合いが解りやすいように前月比とコロナ前のピークだった2020年2月と比べてどうなっているのかを調べてみました。
2020年のピークと比べると8月時点の非農業部門雇用者数は、533.3万人少なくなっています。産業別にみると、特に減少したのが接客業で雇用者数は169.9万人も減少しました。次いで減っているのが教育とヘルスケア産業です。こちらも90.5万人もの雇用が失われたままです。2020年2月比では全体的に赤字表示が続くのでほとんどの産業で雇用者数が減ったままだということが解ります。
こんなコロナ禍の状況でも雇用者数が増加している民間産業がありました。それが、運輸・倉庫業です。アメリカでもネット通販は好調で、その影響からか運輸・倉庫業での雇用者数はコロナ前と比べても2.2万人増加しました。
以上のように、アメリカ国内の運輸・倉庫業以外の産業は、コロナ前の水準までは回復していないことが解りました。

さて、今回の雇用統計が事前予想よりも悪かったことで、FRBはテーパリング(金融緩和政策を段階的に縮小させていくこと)の実施時期を先送りするのではないかという予測が強まりました。
雇用統計発表前後のマーケットの動きをご覧ください。

米ドル円(くりっく365)

ユーロドル(くりっく365)

NYダウ(くりっく株365)

日経225(くりっく株365)

いずれの市場でも雇用統計が発表された直後(日本時間21時30分)に大きく変動しましたが、数分後には発表前の水準近くまで戻す展開になりました。

今回の雇用統計の結果は今後のテーパリングにどう影響してくるのでしょうね。次回のFOMCは9月21日から22日に実施される予定です。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
米労働省

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