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米国とOPEC加盟国との貿易について

2018年07月11日

 

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

前回のコラムでは、米国の貿易収支の状況を「アメリカ合衆国商務省経済分析局(BEA)」発表のデータを使って確認しましたが、今回は貿易相手として項目が設けられているグループである「OPEC」との貿易額について調べてみたいと思います。

早速ですが、データです。

OPEC-米国間貿易

 

対OPEC輸出入額-米国

輸出 輸入 収支
2014年 115,626 143,029 -27,403
2015年 107,493 76,912 30,581
2016年 106,104 89,578 16,526
2017年 91,962 83,012 8,950

※出典:BEA

特徴的なのが輸入金額です。輸入金額の変動は年によって大きく変動しています。こんなにも金額が変動する理由は何なのか。

対OPECなので説明の必要はないと思いますが、これは原油価格の変動によるものです。

原油価格の変動をグラフ化したものが次のものです。

NY原油価格

輸入額のグラフと原油価格の変動がとても似ていると思いませんか?

アメリカがOPECからの年間輸入価格がピークまで上昇したのが2008年の2610億ドルでしたが、この時原油価格は1バレルあたり147.27ドルまで上昇していました。翌年の2009年リーマンショックの影響で原油価格は33.2ドルまで下落しました。

2つのグラフの変動はよく似ています。

OPEC加盟国の主要な輸出品は原油ですので、原油価格の変動が輸入総額の変動に直接影響を与えるのは当然といえば当然ですね。

もう一つ、価格と輸入量に影響を与えたのが米国でのシェールオイル生産です。
シェールオイルの生産が増え始めたのは2011年頃からで、生産量はグングンと増加し2014年には原油生産量でサウジアラビアを上回る状況まで成長したため需給バランスが崩れ、原油価格も崩れてしまいました。

米国は自国で原油生産が可能な状況になった結果、原油輸入量は大幅に減少し、且つ、価格は安くなっていますので、輸入額は大幅に減少しました。

この結果は、アメリカの対OPEC輸入金額にも大きな影響を及ぼし、2015年には輸出と輸入が逆転しています。

2015年以降アメリカは、対OPECで米国は貿易黒字となっています。

現在のシェールオイルの生産状況を考慮すると余程のことがない限りシェールオイルの生産がストップするなんてこともなさそうなので、今後、OPEC加盟国が多い中東諸国との関係性も今までとは違ったものになってくる可能性もありそうです。

今日は、OPECと米国との貿易についてクローズアップしたお話でした。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・アメリカ合衆国商務省経済分析局(BEA)
https://www.bea.gov/international/index.htm

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