消費者物価は緩やかに上昇基調?
2019年05月24日
皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。
今日も暑いですね。今日は東京地方も最高気温が30℃を超えるそうです。急激な温度の変化で体調を崩さないように皆さんお気をつけください。
さて、本日4月の消費者物価指数(CPI)が総務省から発表されました。4月の数値はご覧のようになっています。
①総合指数 101.8
②生鮮食品を除く総合指数 101.8
③生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数 101.6
以前にもお伝えしましたが、すべての商品、サービスを指数化したものが総合指数ですが、そこから生鮮食品を除いたものと、さらにエネルギーを除いたものが発表されています。生鮮食品が除かれるのは、天候の影響から大きく価格が変動するからです。
確かに、スーパーの野菜売り場に行くとキャベツ1玉が100円で売っている時と200円で売っている時があり、単純計算してもキャベツ1玉の値段は、100円の時に比べて2倍になっていますので、これをこの価格変動を消費者物価指数に組み込むとその変動幅の大きさから大きな影響を及ぼしてしまいそうです。
エネルギーが除かれるのも同じ理由でエネルギー価格は大きく変動するため、除いたものを使うとの考え方もあります。
エネルギー価格の変動がどの程度あるのかはエネルギーの代表格である原油価格の変動をみるとよく解ります。
下のグラフはNY原油のチャートですが、ここ1年間でも高い時は76.9ドル、安い時は42.36ドルでしたので1年の間に44.9%も変動していました。
NY原油
エネルギーを除いた③に注目が集まるのも頷けますが、一般的には②の生鮮食品を除く総合指数がニュースメディアなどで取り上げられています。
4月の生鮮食品を除いた数字は101.8でした。
消費者物価指数が101.8と言われると物価成長率が「1.8%」だったと思われがちですが、実はそうではありません。現在の消費者物価指数は2015年を100とした際のどうなっているのか示しています。したがって2015年と比較すれば1.8%上昇していますが、前年同月比と比較するとそこまでの上昇にはなっていないんです。
前年同月比では0.9%のプラスとなりました。
生鮮食品を除いた総合指数の動きをグラフにしたものが次のものです。
生鮮食品を除いた総合指数の動き
※出典:2015年基準消費者物価指数-総務省
グラフを見ると2017年、2018年、2019年と年を重ねるごとに上昇しているように見えませんか。
緩やかではありますが、2017年以降物価は徐々に上昇しているようです。
日本銀行は、生鮮食品を除く消費者物価指数が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」を導入していますので前年同月比で2%以上の成長が欲しいところですが、プラスが続いているのは良い兆しなのかもしれませんね。
暗いニュースが続いていますが、物価の上昇は良い方向で進んでそうですね。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。
それではみなさん良い週末を。
参考文献:
・2015年基準消費者物価指数-総務省
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
・金融政策
https://www.boj.or.jp/mopo/outline/index.htm