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日本の貿易収支は4ヶ月連続して赤字

2019年02月21日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

財務省から1月の貿易統計が発表されました。

1月の貿易収支は、トータルの輸出が8.4%減の5兆5742億円、輸入が0.6%減の6兆9895億円となり差し引き1兆4152億円の貿易赤字となりました。輸出の減少は2ヶ月連続、貿易赤字は4ヶ月連続となっています。

特に減少した輸出品目は船舶が37.4%減、半導体等製造装置が27.8%減、鉄鋼が13.7%減でした。輸入もトータルで0.6%減でしたがその内訳では、原粗油が10.3%減、石油製品が17.9%減、非鉄金属鉱が18.3%減でした。

とにかく4ヶ月連続で貿易赤字となっています。

1980年台以降、日本の貿易黒字がアメリカから問題視され、私達の認識の中でも貿易黒字が当たり前のような感覚になっていましたが、現在はそうではないようです。

下のグラフは1979年から現在までの日本の貿易の推移を表したものです。

日本の貿易額の推移

※出典:財務省貿易統計

ご覧のように1980年から2007年頃までは圧倒的に輸出超過になっていましたが2008年以降は黒字幅が縮小し、2011年から2015年に至っては輸入超過になり5年連続して貿易収支はマイナスになってしまいました。

このグラフは月ごとの輸出と輸入のボリュームを表していますが、輸出と輸入のバランス以外でも気になることがあります。それが2009年以降の金額の推移です。

2008年から2009年にかけての減少はリーマンショックによるもので、その年は大きく減少しました。リーマンショックからすでに10年の月日が経過しましたが、この10年間輸出額の推移はリーマンショック以前の水準に達していません。

日本の輸出力はリーマンショック以前よりも弱くなっています。

貿易相手国別ではご覧のようになります。

アメリカ

※出典:財務省貿易統計

グラフが示すとおり日本はアメリカに対して大幅な貿易黒字となっています。対アメリカでは1979年以降ずっと黒字が続いています。
ただし、気になるのがあります。それが1985年頃から現在に至るまでその貿易金額が成長していないということです。輸出も輸入もほぼ横ばいでボリュームはほとんど変わっていません。

中国

※出典:財務省貿易統計

今、日本が最も貿易をおこなっている国は中国です。
対中貿易が赤字だったのは昨日今日始まったことではなく1990年頃からずっと赤字な状況が続いています。中国に対して輸入超過になる関係性は以前から変わっていませんが、対中貿易のボリュームは成長し続けており、対米貿易のボリュームを抜いてしまったことが、日本全体の貿易収支が赤字になった原因だと考えられます。

最初のグラフでみた全体の貿易額の推移と対米貿易の推移では現在の貿易額はリーマンショック前の水準に達していませんでしたが、対中貿易についてはリーマンショック前の水準を上回っています。

1月、中国のへの輸出品目で大きく減少したのが電気回路の機器38.9%減、プラスチック27.5%減、半導体等製造装置24.8%減でした。
米中貿易戦争の影響を受けて、中国経済が減速すると日本の輸出も減少してしまうので日本にとっても無視できない問題です。

2月以降どうなっていくのか。注目したいですね。
今日は、日本の貿易収支についてのお話でした。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・財務省貿易統計
http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time.htm
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2019_01.pdf

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