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日本の就業者数増加とその内訳(雇用者・自営業者編)

2018年10月31日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

今日は昨日に引き続き労働力調査のデータを掘り下げてみたいと思います。

昨日見たデータでは、日本の就業者と雇用者数が69カ月連続して増加していることを確認しました。

昨日確認できたこと
・雇用者数に関しては2000年以降右肩上がりで増加していること
・雇用者数が増加している背景には女性の雇用者数増加が大きな影響をあたえていること

これらが確認できました。

今日は、もう一つのデータである就業者数の変化について調べてみたいと思います。

改めて雇用者と就業者の違いは次のようになります。

雇用者は会社、団体、官公庁または、自営業者や個人家庭に雇われて給料、賃金を得ている人、および役員を指します。

一方、就業者は従業者と休業者を合わせたもので雇用者、自営業者、家族従業者の合計がこれに当たります。

雇用者数の推移はご覧のような状況でした。

雇用者数

※出典:労働力調査-総務省統計局
2013年以降69カ月連続して増加しています。

それで就業者数がどうなっているのかというと・・・。

就業者数

※出典:労働力調査-総務省統計局

最初に見た雇用者数と比べて就業者数の方が浮き沈みの激しいように見えませんか?
どうやら就業者数は雇用者数に比べて景気動向の影響を受けやすいようです。

リーマンブラザーズが倒産したのは2008年9月15日ですが就業者数が、2007年の後半すでに就業者数はピークを打ち、その後は減少してきていますので、このデータは景気の先行指標として利用することが出来そうです。

雇用者数よりも就業者数の方が景気の影響を受けやすいのはどうしてなのでしょうか。

就業者数は、雇用者数+自営業者+家族従業者で構成されています。

就業者数の構成である雇用者数のカーブが緩やかに上昇しているのに対し、就業者数が激しく増減するということは、自営業者と家族従業者に影響されていると考えられます。

自営業者と家族従業者の推移がご覧の通りです。

自営業者と家族従業者

※出典:労働力調査-総務省統計局
2000年以降減少し続けています。2000年台前半1000万人以上いた自営業者と家族従業者は年々と減少しつづけ、現在は700万人程度まで減少しています。脱サラして自分で商売を始める人も大勢いますが、事業を継続させるのって難しいようですね。

基本的には減少傾向ですが、景気が悪くなると体力がない自営業者はそのあおりを受け、廃業してしまうところが増加する傾向にあるようです。また、細かく見ると、自営業者の数が減少せず、横ばいで推移していている期間があります。

景気が良い時にはベンチャー投資などが活発におこなわれるため、自営業者数も横ばいまたは増加しますが、いざ景気が悪くなるとベンチャー投資は減少し、廃業に追い込まれる自営業者数が増加する。そんなメカニズムになっているようです。

2016年以降、自営業者数は横ばい傾向で推移しており、この指標でみる現在の景気状況は良い状態だと言えます。自営業者と家族従業者数は、景気が悪くなった際、真っ先に影響を受ける指標なので今後の景気動向が気になる方はマークした方が良さそうです。

今日は自営業者と家族従業者を景気先行指標として活用するお話しでした。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・労働力調査-統計局
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html

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