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日本とEUの経済連携協定(EPA)について

2018年07月18日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

日本とEUとの間で経済連携協定(EPA)が署名されました。

7月17日に発表された日EU定期首脳協議共同声明で、「この経済連携協定は、自由貿易の旗を高く掲げ続け、自由貿易を力強く前進させていくとの日本とEUの揺るぎない政治的意思を世界に対して示すものである。」と声明されています。

アメリカを巡る貿易戦争が加熱する中で、日本とEUで自由貿易がおこなわれるようになることは、世界的にみても大きな意味がありそうです。今日は、日本とEUの貿易について見ていきたいと思います。

まずは貿易額から・・・。

1.貿易金額について

日本とEUの間でおこなわれている貿易額は、2016年実績で日本からEUへの輸出額が約8兆円、EUから日本への輸入額が約8兆1千億円でした。輸出輸入ともに8兆円前後とバランスがいいですね。

日本⇒EU 7兆9817億円
EU⇒日本 8兆1517億円

日本における貿易のシェアでは、輸出が11.4%、輸入は12.3%でした。アメリカとの貿易は、輸出が14兆1429億円、輸入が7兆3221億円ですので、輸入に関してはすでにアメリカよりも大きな金額がEUから輸入されています。

2.撤廃される輸入品目について

交渉によって撤廃される関税は、品目数ベースで日本がEUから輸入する94%(農林水産品が82%、工業品が100%)、EUが日本から輸入する99%にも及びます。

多くの品目の関税が段階的に撤廃され、EU産の農林水産品が日本で流通するようになるようです。

個人的にうれしいのは、ワインへの関税が即時撤廃されることです。フランスやイタリア産のワインが安く飲めるようになるのはうれしいですね。

現在、EU産のワインには、15%もしくは1リッターあたり125円のうちいずれか低い税率が課せられています。750mlボトルであれば、15%か93.75円のいずれか低い税率が課せられています。

金額としてはそれほど大きな金額ではありませんが、日常的にワインを飲む人にとってフランス、イタリア産のデイリーワインを安く購入できることはうれしいニュースではないでしょうか。

ブランド品が好きな女性にとっても今回の関税撤廃は大きなメリットがあります。革製のハンドバッグには8%から16%の関税が、衣類品には4.4%から20%の関税が課せられていますが、今後撤廃されるようになれば、イタリア産の有名ブランドのバッグなどが安く国内流通するようになれば、あらたな消費が生まれそうです。EUと経済連携協定(EPA)していない国から日本に訪れた外国人旅行者によるあらたなニーズが生まれるかもしれません。

3.撤廃される輸出品目について

日本からEUに輸出される品目も多くのものが関税撤廃となりそうです。

・醤油、ほたて貝、緑茶、牛肉、花、ぶり、青果物、林産物、肉類、乳製品、工業製品、乗用車などに課せられていた関税が即時撤廃もしくは数年後に撤廃されるようです。

関税が撤廃される我々消費者には大きな恩恵がありそうですが、質の高いEU産の商品が日本でも流通するようになるので、これまで以上に質の高い消費・サービス提供が求められるようになるかもしれません。

今後どうなっていくのでしょうね。

日本とEUの貿易がこれまで以上に活発になるとすれば、為替レートにも影響がでてくるでしょうか。

ユーロ円(くりっく365)-日足

※チャートはポジション・トレーダーPROから

今日は、日本とEUの経済連携協定(EPA)についてのお話しでした。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・第25回日EU定期首脳協議共同声明-外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000382198.pdf
・日EU経済連携協定(EPA)に関するファクトシート
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000270758.pdf
・酒類の輸入について(カスタムスアンサー)-関税
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/kojin/3105_jr.htm

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