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原油価格のベンチマーク

2018年11月09日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

本日の日経新聞23面に東京原油が上昇との記事が掲載されていました。

原油市場っていくつもあって分かりにくいですよね。

今日は原油のベンチマークについてのお話しです。

新聞や経済ニュースで取り上げられている原油価格は3種類に分けることができます。

・NY原油(WTI原油)
・ブレント原油(北海原油・北海ブレント)
・東京原油(ドバイ原油・中東産原油)

NY原油、ブレント原油、東京原油の3種類です。

NY原油はWTI原油とも言います。アメリカのニューヨークにあるNYMEXという商品先物取引所で取引されている原油で世界のベンチマークとなっています。

ヨーロッパでベンチマークとされているのがブレント原油です。北海油田・英国領海北部のブレント油田から産出される原油でイギリスロンドンのICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されています。

3つ目が東京原油です。東京にある東京商品取引所で取引されているため東京原油と言いますが、取引の指標となっているのは中東のドバイ、オマーンで産出された原油でアジアではこの原油価格がベンチマークになっています。

さて、ニューヨーク、ロンドン、東京と3つの市場がベンチマークになっている訳ですが、3つに共通しているのが先物取引で価格が決められているということです。

WTI、ブレント、ドバイ原油の価格変動

上のグラフは2016年7月以降の価格変動を表したものです。

ドバイ原油は、一番取引量が多い先限の価格をドル建てにしたものです。3つの原油の中で最も高いのがブレント原油、次いでドバイ原油、一番安値傾向にあるのがWTI原油でした。

ちょっと細かな話になりますが、3つの原油の中でもっとも質が良いのはWTI原油です。硫化水素などの硫黄分の含有量が少ない原油をスイート原油といい、多い原油をサワー原油と表現しますが、WTI原油はスイート原油なので、脱硫コストを軽減することができます。一方、ドバイなどの中東産原油は硫黄濃度が高く、精製のコストがかかってしまいます。

数年前までドバイ原油よりもWTI原油の方が高値で取引されていましたが、現在は逆転現象がおきています。

2018年後半以降、WTI原油価格は他市場よりも大きく下落しました。これはアメリカ国内の在庫状況の問題ですが、価格を引き下げたいアメリカの事情と、高止まりさせたい中東OPECの事情がうかがい知れます。各国の思惑が価格にも影響しているそんな相場です。

11月8日時点の終値はご覧のとおりです。

・ドバイ原油  69.66ドル
・WTI原油   60.67ドル
・ブレント原油 70.65ドル

WTI原油2つの市場よりも10ドル近く安くなっています。
今後この価格差は狭まるのでしょうか?

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。

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