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人民元レートの推移と関税の影響

2019年08月07日


皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

5日、アメリカ財務省は中国を「為替操作国」に認定したと発表しました。

為替操作国ってあまり聞きなれない言葉ですが、経常収支を調整したり貿易で競争上の優位を得るために為替操作をしていると判断された国を指します。

1.対米貿易黒字が年間200億ドル以上
2.経常黒字がGDPの2%以上
3.為替介入による外貨購入が1年で6ヶ月以上かつGDPの2%以上

上記の3つの条件を満たすと為替操作国に認定され、2つを満たすと監視対象になります。
なお、2019年5月に公表さえた為替報告書で中国は、上記のうち1つにしか抵触していませんでしたが今回、為替操作国に認定されました。

為替操作国に認定されたのは、1994年7月に中国が認定されて以来のことになります。

ちなみに米ドル人民元相場の推移はご覧のようになっています。

米ドル人民元


(出所:TradingViewによる米ドル/中国元チャート

2018年前半頃、1ドル6.3元水準で取引されていましたが、2018年後半になると6元台の後半での取引が中心となり、ついには7.0元の大台を上回りました。

中国の為替相場は、管理変動相場制という制度が採用されています。日本のような需給バランスによって自由に変動する変動相場制とは違い、政府・中央銀行(中国人民銀行)が介入することによって為替レートが管理されています。

現在人民元のレートは1ドル7元を上回っており、2018年前半の6.3元と比べれば11%ほど元の価値が落ちています。

解りやすくドル円レートで例えるのであれば、1ドル100円だったものが111円になっているのと同じことです。

自国通貨の価値が下がると輸出業者にとって有利になります。

例えば1ドルのものを輸出した際に得られる利益は6.3元だったのが7.0元になるので有利ですよね。

現在米中で関税の掛け合いが行われていますが、アメリカが関税を引き上げたとしても人民元が下がったとすればその部分は相殺されることになり、中国の輸出業者は、それほどダメージを受けないことになります。

逆に、中国に輸出しているアメリカの業者は、関税と為替でダブルパンチということになります。

これまで中国は為替レートをクッション材として利用していましたが、為替操作国に認定されたことで、これまでよりも厳しい状況になりそうです。

この先の人民元レートに注視した方が良さそうです。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・為替操作国とは 改善なければ制裁措置も-日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48251090W9A800C1000000/

・管理変動相場制-iFinance
https://www.ifinance.ne.jp/glossary/currency/cur137.html

・為替操作国ってなに? アメリカが一方的に認定、日本も監視対象に。トランプ大統領は「もう許さない」と激怒-HUFFPOST
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d48c3dfe4b0d291ed05754f

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