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トルコの政策金利と物価変動と為替レート

2019年07月25日

タイトル:トルコの政策金利と物価変動と為替レート

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

一昨日にもお伝えしましたが、本日日本時間20時にトルコ中央銀行による政策金利発表があります。

事前予測では、現状の24%から2ポイント利下げされた22%になるのではないかとの予測になっています。

トルコの政策金利が引き下げられるということは、トルコ国債やFXでトルコ円などを買っている人からすれば利子やスワップポイントが減少してしまうので、トルコに投資する魅力が半減してしまう出来事です。

それにしても日本の政策金利は-0.1%と比べるとトルコの政策金利である24%とか22%とかってとても高いですよね。

こんな高利回りで資産運用できたとしたらどんなことになるのか。試しに計算してみたいと思います。

まず、トルコの政策金利の推移です。

グラフ:トルコの政策金利の推移

今回は、トルコの中央銀行であるTCMBホームページに掲載されている2010年5月20日から取引をスタートしたと仮定して、その運用結果がどうなるのか見てみたいと思います。

条件:
・2010年5月20日から1,000,000リラを運用する。
・利子は毎月計算されるものとする。
・税金は考慮しない。
・為替変動リスク・その他コストは考慮しないものとする。

■単利の場合
2010年5月に1,000,000リラ投資したものが2019年7月現在で1,844,167リラになっています。

■複利の場合
2010年5月に1,000,000リラ投資したものが2019年7月現在で2,316,072リラになっています。

グラフ:単利と複利の違い

単利と複利の違い
単利は、投資した「元本にのみ」利息がつくもので、複利は「元本と利息」に対して利息が付くものを言います。

元本にのみ利息がつく単利の場合、844,167リラの増加でしたが、利息に対しても利息が付く複利の場合は、1,316,072リラ増加しており、両者の間に50万リラ近い開きが生じました。
色々な金融商品がありますが、確認した方が良いのが単利なのかそれとも複利なのかです。一般的には複利の方が多くの利払いを受け取れるケースが多いようです。

さて、これだけ高金利な状況をみてしまうとさぞかしトルコ国民はウハウハ何だろうなんて想像してしまいますが、実際のところはそんな甘いことにはなっていません。

こちらも先日確認しましたが、トルコの消費者物価指数は平均で10%弱程度で推移しています。

グラフ:トルコの消費者物価指数

10%で推移しているということは100リラのものを翌年購入するために必要なお金は110リラですし、その翌年は121リラのお金が必要になってきます。

計算上、2010年5月に1,000,000リラだったものを2019年5月に購入しようした際に掛かるお金は2,322,410リラでした。(※計算には毎年5月の前年同期比データを使用)

最初に複利で計算した際の元本と利息の額は2,316,072リラでしたので物価成長率と比べてそれほど乖離していないことが解ります。

トルコで生活している人からすれば、2010年に100リラで買えたものが、今は232リラ出さなければ買えないので、複利で運用できていたとしても特別お得感はないと言えます。

為替レートはどうでしょう。
2010年5月、トルコリラ円レートは57.98円でしたが、現在レートは1トルコリラあたり18.87円で取引されています(7月25日13時53分現在)。対円レートは3分の1程度になってしまいました。

こうしてトルコの政策金利、物価変動、為替レートを見てみると政策金利が高いのにはそれなりの理由があることがよく解りますね。

トルコに限らず、高金利通貨には高金利な理由がありますので、ポートフォリオを形成する際は、リスクとリターンを考慮したうえでおこなう必要が高くなってきます。

投資って面白いですね。。。


ということで、日本時間20時にトルコの政策金利発表があります。

流動性の低下から大きく相場変動する可能性がありますのでご注意ください。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。

バックナンバー
・今週はトルコの政策金利発表に注意
https://www.fujitomi.co.jp/?p=36381

参考文献:
・TCMB
https://www.tcmb.gov.tr/wps/wcm/connect/EN/TCMB+EN

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