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ジューンティーンスとは

2022年06月20日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

本日6月20日は、ジューンティーンスの振替休日でアメリカ市場は休場です。

ジューンティーンスと言われてもあまりピンと来ませんが、ジューンティーンスは昨年(2021年)制定されたアメリカの祝日です。

日本で生活しているとあまり耳慣れない言葉ですが、「ジューンティーンス」というのは、アメリカ合衆国で奴隷身分にあった人々の開放を祝う祝日です。

ちなみに、Google検索で「ジューンティーンス」と検索すると、お祝いのパレードをする人達と紙ふぶきが舞うアニメーションが画面に現れるという、期間限定の仕掛けを見ることができます。

お時間ある方は、手元のスマートフォン、PCからGoogleを開き「ジューンティーンス」と検索してみてください。

ジューンティーンスって誰?と思ってしまいますが、ジューンティーンスは人の名前ではなく、日付を表しています。

(Image by Thomas H. from Pixabay)

1861年から1865年(日本は江戸時代末期)にかけてアメリカでは、南北戦争が行われていました。
商工業化が進んだ北部と奴隷制による農業が盛んだった南部との間で行われた対立です。北部では、商工業化によって多くの白人労働者が働いていましたが、奴隷制が自分たちの労働機会を脅かす危険性があったため、奴隷制に反対していました。一方、南部では、奴隷制によって農業生産が維持されていました。

当時の人口は、北部が2200万人だったのに対し、南部は900万人でその内360万人は奴隷だったそうです。

奴隷制を廃止したい北部と維持したい南部の対立が激化する中、1860年アメリカ大統領選挙が実施され、共和党のエイブラハム・リンカーンが第16代アメリカ合衆国大統領に就任しました。

160年以上前に実施された選挙ですが、選挙制度は現在行われているものとほぼ同じで、勝利した州の獲得選挙人をそのまま獲得できる制度でした。現行の選挙制度が160年以上前に確立していたことに驚きです。

当時の人口は北部が2200万人で、南部は奴隷除くと540万人なので、北部よりの政策を掲げた候補が有利だということです。選挙結果を見ると、北部地域のほとんどをリンカーンが獲得し、南部地域のほとんどを南部民主党の候補が獲得する結果となっていましたが、北部の選挙人数の方が多かったため、リンカーンが当選しました。

選挙の結果、1861年3月黒人奴隷解放を主張していたエイブラハム・リンカーンが第16代アメリカ合衆国大統領に就任したため、奴隷制度廃止に不満をもっていた南部11州が次々とアメリカ合衆国から離脱し、アメリカ連合国の結成を宣言しました。

そんな奴隷制度問題から始まったのがアメリカ南北戦争です。

4年に渡る南北戦争で、62万人もの人が亡くなっています。

あまりピンときませんが、第2次世界大戦で亡くなったアメリカ兵の数は32.2万人なのでその倍近い人が南北戦争でなくなりました。

1865年4月、北部が勝利し、南北戦争が終結しました。

そして北軍のゴードン・グレンジャー将軍がテキサス州で奴隷として扱われていたすべての人達に奴隷制度の廃止を通達したのが、戦争終結から2カ月たった1865年6月19日でした。

その通達があった6月19日(June Nineteenth)を略した「juneteenth」が「ジューンティーンス」の起源です。

ジューンティーンスはアメリカの祝日ですが、人類にとってとても意味のある記念日なのかもしれませんね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


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