ガソリン本体価格と原油価格
2019年06月13日
皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。
(この記事は2018年11月16日に作成した記事を再編集したものです。)
2019年6月13日、原油価格が再び下落してきました。
NY原油の値動きはご覧のようになっています。
NY原油
節目である50ドル手前まで下落しており、この水準をキープできるかに注目が集まっています。
原油価格とガソリン価格
さて、原油価格の変動は、原油から精製されるガソリン価格に大きな影響を及ぼします。
今日は原油価格の変動とガソリン価格の変動について復習してみたいと思います。
まず、ガソリン価格についてです。
ガソリン価格は、ガソリンの本体価格にガソリン税と石油石炭税がプラスされ、そこに消費税が課されています。
図にするとご覧のようなイメージです。
例えば、ガソリン本体価格が81円だった際、本体価格81円にガソリン税53.8円と石油石炭税2.8円が足された137.6円がガソリンの税抜き価格です。そこに消費税8%が課された148.6円がガソリン1リッターあたりの小売価格になります。
ガソリンの53.8円と石油石炭税の2.8円は固定値なので価格が変動する要因はガソリン本体価格の変動によるものになります。
ガソリン本体価格が変動する要因はいくつも考えられますが、一番大きな影響を与えると考えられるのが原材料のである原油価格の変動です。
ガソリン本体価格と原油の価格の推移を表示させたものが次のグラフです。
出典:資源エネルギー庁
基本的な価格変動はガソリン価格と原油価格に相関性があり、原油価格が上昇するとガソリン価格も上昇する関係性がありますが、そのタイミングについては、少しのズレが生じています。
というのも、スタンドで販売されているガソリンは昨日今日精製されたものではありません。原油が輸入されてから精製、販売されるまでにはタイムラグが生じるため、ガソリン本体価格の方が遅延する関係性にあります。
例えば2018年10月から2019年1月にかけて原油価格は下落していますが、ガソリン価格が下がり始めるのは11月に入ってからと少し時間が経過してからです。
そのためガソリン本体価格と原油価格の開きは原油価格が下落するタイミングで拡大しやすい傾向にあるようです。
先ほど見た2018年10月から1月にかけての差分はそれまでの35円ほどから40円ほどまで拡大しました。今回のNY原油が50ドル手前の水準まで下落したことで、日本円で取引されている原油価格も1リッターあたり36円台まで下落しました。
現在、原油価格とガソリン価格の差分は40円以上あるので、このタイミングで給油するよりも差分が縮まったタイミングで給油した方が、もう少し経ってから給油した方がお得になりそうです。
この原油価格とガソリン価格の開きを投資に活用することができます。
東京商品取引所で取引されている原油価格とガソリン価格をチャートで表示させたものが次のものです。
原油とガソリン
グラフの上段がガソリン価格、中段が原油価格、そして下段がガソリン価格と原油価格の差分です。東京商品取引所で取引されているガソリンと原油の単位は1KL(1000L)あたりなのでこの価格を1000で割ると1リットルあたりの価格が算出できます。
商品取引所で取引されているガソリンと原油の値動きを見ると両者にタイムラグが無いことにお気づきでしょうか。
先物取引は将来の取引価格を事前に決めてしまう取引なので、現物市場のようにガソリンと原油にタイムラグが生じていません。
現在、ガソリンと原油の価格差は約10000円と非常にタイトなものになっています。
この差分が将来元に戻ってくると予測するのであれば、原油を売ってガソリンを買うことでその利ザヤを狙うことも可能です。
ちなみにガソリンと原油価格の価格差がここまでタイトになるのは2012年6月以来、7年ぶりの出来事となっています。
裁定取引(アービトラージ)にご興味ある方はガソリンと原油の価格に注目してみてください。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。
参考文献:
・資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/results.html