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コラム

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アメリカの石油生産量とイランのその後

2018年12月13日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

今日は原油のお話しです。

先週はOPECとロシアなど非加盟国との間で生産量に関する話合いがおこなわれ、120万バレル/日の減産がおこなわれることになりました。その内訳は、OPEC加盟国が80万バレル/日、非加盟国が40万バレル/日ずつの減産です。

12日、OPECはオイルマーケットレポートを発表しました。レポートによると非OPECの石油供給量の増加がすごいことが良く分かります。

非OPEC加盟国の石油供給量


※OPEC月報12月43ページより

今は2018年12月ですので2018年の4Qにあたります。
現在、非加盟国の石油生産量は6103万バレル/日です。この数字にはロシアも含まれています。先週のOPEC総会で決まった非加盟国の減産量は日量40万バレルでその期間は来年2019年の1月から6月までの半年間です。

上のグラフを見ると2019年の1Qから2Qに掛けての生産量の増減はほぼフラットになっています。これは今回の減産合意によるものだと考えられます。次回減産量の見直しをおこなうのは来年4月ですが、供給量の増加を見ると2019年3Q以降大幅に増加する見込みなので次回の見直しでも減産継続しなければ供給過剰になる可能性があります。

この非OPEC加盟国の供給量増加をもたらしているのは誰なのか。

その答えはアメリカです。

石油供給量の変化2018年(前年比)


※OPEC月報12月45ページより

石油供給量の変化2019年(前年比)


※OPEC月報12月45ページより

2018年、アメリカは年間で213万バレル/日増加し、2019年は年間で170万バレル/日増加する見込みです。また、来年はブラジルが36万バレル/日の石油供給を増加させる予定です。来年はブラジルの動向もチェックする必要がありそうです。

 

イランについて

もう一つ気になっていたのがイランの原油生産量がどうなっているのかです。ご存知のように2018年11月5日からイランへの経済制裁が再開し、イラン産原油の禁輸制裁がスタートしましたが、日本、中国、韓国、インドなど8か国は適用除外の猶予期間が設けられました。猶予期間は180日です。

2018年11月5日から180日間だとするとその期限は2019年5月3日。ちょうど日本は10連休の最中です。

イランの原油生産量は次のとおりです。

2018年1Q  381.7万バレル/日
2018年2Q  381.8万バレル/日
2018年3Q  360.3万バレル/日
2018年9月  345.1万バレル/日
2018年10月 333.3万バレル/日
2018年11月 295.4万バレル/日

※OPEC月報12月58ページより

第3Qと比べると制裁が始まった11月の生産量は減少していますが、それでも295.4万バレルの生産がおこなわれています。この180日間でどう変化していくのか。今後のイランの生産量に注目ですね。

今日はOPECの月報(オイルマーケットレポート)についてのお話しでした。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・OPEC
https://www.opec.org/opec_web/en/

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