米・貿易収支の推移をグラフで見る
2018年07月10日
皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。
先週の金曜日、日本時間の21時30分米雇用統計が発表されましたが、同じタイミングでもう一つ重要な指標が発表されました。
それが米・貿易収支です。
発表された数字は、431億ドルの赤字でした。
米中間で行われている関税の問題がこの数字に今後どのような変化をもたらすのか。とても気になりますが、まずは現時点でどうなっているのかおさらいしてみましょう。
現在のアメリカの貿易状況はすでに色々なメディアで取り上げられていますので皆さんご存知かもしれませんが、今回はアメリカ合衆国商務省経済分析局(BEA)発表のデータを使います。
貿易収支がマイナスだということは、輸出と輸入の金額を比べると圧倒的に輸入金額の方が大きいはずです。どうしてそうなってしまっているのか項目毎に見てみたいと思います。
まず、アメリカの輸出状況についてです。
輸出先(商品・サービス)
※出典:BEA
アメリカの輸出先で最もそのボリュームが大きいのは「その他の国々」で次いでEU、カナダの順でした。特定の国ではなく、「その他の国々」が1番ということは、ここに名前が出ていない国々への輸出が多いので新興国や開発途上国への輸出が多くなっています。
輸入先(商品・サービス)
※出典:BEA
輸出と比べるとほとんど同じような形をしているように見えますが、輸入国のラインナップが少し変わってきます。一番輸入量が多い国が「その他の国々」2番目がEUなのは変わりませんが3番目に多い国が今話題になっている中国です。
この輸出と輸入の差分をグラフにしたものが次のグラフです。
バランス(商品・サービス)
※出典:BEA
一本だけ突出した動きをしているのが中国です。「その他の国々」や「EU」は輸出入ともに多いため双方のバランスが取れた(それでも赤字)状態となっていますが、中国への貿易は圧倒的に輸入超過となっているため大きなマイナスとなっています。
もう一つ気になるのが貿易赤字は対中国だけでないということです。中国以外でも、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、メキシコ、台湾、など多くの国と地域に対して赤字になっており、これは昨日今日始まった話ではなく、10年以上前から現在と同じ問題を抱えていました。
今回、トランプ大統領は、関税引き上げというカードによって中国とアメリカの不均衡は修正しようとしていますが、その効果はどうなるでしょうね。
今後の米・貿易収支発表に注目したいと思います。
次回の貿易収支発表は、8月3日21時30分を予定しております。
本日は中国とアメリカの貿易収支について簡単におさらいしてみました。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。
参考文献:
・Bureau of Economic Analysis
https://www.bea.gov/international/index.htm#bop