物価変動は二等辺三角形!?
2022年09月13日
皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
日本時間9月13日21時30分、アメリカの消費者物価指数(CPI)が発表されます。
事前予想は、前年同月比が先月よりも0.4%ポイント低い「8.1%」、前月比が先月よりも0.1%ポイント低い「-0.1%」です。今回起きている物価上昇のピークは今年の6月に記録した前年同月比「9.0%」ですので、ピークから0.9%ポイント下落するだろうと予想されています。
どうして物価が下がってきたのでしょうか。次の一覧は過去1年分の前月比を表にしたものです。
アメリカ消費者物価指数(前月比)
2021年8月 | 0.3 |
2021年9月 | 0.4 |
2021年10月 | 0.9 |
2021年11月 | 0.7 |
2021年12月 | 0.6 |
2022年1月 | 0.6 |
2022年2月 | 0.8 |
2022年3月 | 1.2 |
2022年4月 | 0.3 |
2022年5月 | 1.0 |
2022年6月 | 1.3 |
2022年7月 | 0 |
2022年8月 | ? |
出典:米労働省
前年同月比というのは前の年の同じ月の物価と比べてどうなのかを表しています。したがって仮に現在の物価が前年同月と同じだった時はじめて物価変動が”0(ゼロ)”になります。
この一年間の前月比をみると直近の7月を除き、上昇が続いていましたので、12ヶ月の間の積み重ねである前年同月比のデータが平年並みに戻るのにはもう少し時間が必要になる訳です。7月以降物価の上昇が鈍化していることが、今回下落すると考えられている要因です。
問題は、6月に記録した9.0%が本当にピークなのかどうかです。
過去74年間のデータと比較するとどうでしょうか。
アメリカ消費者物価指数(前年同月比)
出典:米労働省
物価が今と同じ水準まで上昇したことは何回かありますが、ほとんどの場合、5%よりも低い水準で推移しています。
今回のコラムの題目は、「物価変動は二等辺三角形!?」にしましたが、物価変動によって描かれた線が二等辺三角形になっていることにお気づきでしょうか。
1950年代前半、1970年代、80年代に付けた3回の物価上昇は、キレイな二等辺三角形を描いています。物価上昇で書かれた辺(線)と物価下落で書かれた辺(線)どちらも同じような長さと角度になっていますよね。これは、物価上昇と物価下落に要する時間がほとんど変わらない事を表しています。
仮に、今年の6月に付けた9.0%がピークなのであれば、上昇に約15ヶ月掛かっていたので6月に15ヶ月を足した、2023年10月頃には従来と同じ水準まで戻っているだろうと推察できます。
ただし、6月の9.0%がピークではない場合、まだ上昇局面の途中ということになってしまうので下落までにもっと時間を要してしまいます。6月の9.0%がピークなのかどうかを占う意味でも今晩の消費者物価指数には注目ですね。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。
・米労働省