フジトミ証券株式会社は投資サービスをはじめ、保険・環境関連サービスをご提供致します。

コラム

ピックアップコンテンツ

  • 個別WEBセミナー
  • Fujitomi market news
  • トレーダーズショップ
  • リモートサービス
マーケット情報

物価に関する“もんだい”

2021年11月15日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

前回は、先進国で暮らす国民の収入がこの20年間でどのように変化したのかをご覧いただきました。

アメリカ国民と韓国国民の収入はものすごく増えていること、日本国民とイタリア国民の収入がこの20年間で全く増えていないことなどが分かりました。

収入以外はどうなっているのか。今日は国民生活に大きな影響を及ぼす、物価の変動について調べてみたいと思います。

物価は、国民の「ゆとり」を計る上で重要な要素です。
たとえ収入が増えたとしても同じだけ物価が上昇したとすれば生活にゆとりは生まれません。

極端な例ですが、一カ月の給料が1億円になったとしても、コーヒー1杯の値段が1000万円もするようなハイパーインフレの状況であれば、余裕のある生活はできないでしょう。

下のグラフは、1970年から2020年までの50年間の日本の物価変動を表しています。
2020年の物価を100としました。

消費者物価指数の変動(日本)

出典:e-Stat

今から50年前(1970年)の値は、30.9でした。今よりも70%近く物価が安かったことになります。
ちなみに当時の大卒初任給は39,900円です。2021年の大卒初任給は209,844円なので現在の19%程度の金額しかありません。物価とのバランスで考えると当時の新卒者の生活は、今の新卒者よりも厳しいものだったと考えられます。

もう少し物価変動を見てみると物価は1998年に98.3まで上昇しその後20年間、ほぼ横ばいが続いていることが解ります。

これは、先日確認した収入の変化と同じパターンです。

私たちの収入が増えなくても生活が著しく困窮していないのは、物価が上昇していないためと言えます。

日本以外の国ではどうでしょうか。

次のグラフは、前回のコラムで国民収入の変動を確認した9ヶ国の物価変動を表しています。

各国の物価変動の推移

出典:IMF

2021年の物価を100としています。
赤い線が日本ですが、赤い線だけが他の線とは明らかに違った動きをしていることが分かります。
ご覧のように日本の物価だけがこの20年間変わっておらず、諸外国の物価は上昇しています。
この中では比較的緩やかな上昇だったカナダ、フランス、ドイツ、イタリアなどでも20年間で物価は1.3倍以上になっています。

フランス、ドイツ、イタリアの3か国はEU加盟国なので、物価についても同じような変動になっています。

ここで問題が生じてくるのがイタリアです。
イタリアの場合は、日本と同じく国民の収入は増えていませんが物価だけは上昇しているので、イタリア国民の生活の「ゆとり」は20年前よりも厳しいものになっていると想像できます。

各国の収入に関する問題についてはバックナンバーをご覧ください。

バックナンバー
お金に関する“もんだい”

どうしてこうなってしまったのでしょうか。

EU加盟国であるイタリアには、域内における人の出入りに制限はありません。例えばイタリアの人がドイツやフランスで仕事することに特別な制限はないということですので、高度なスキルを持つ人やより高い収入を求める人がイタリア以外のEU加盟国で仕事をすることは自然な選択です。イタリア国民の収入が増えていないのはEU加盟国であることに原因がありそうですね。

収入も物価も変動してこなかった日本は、世界からみると類似例がない、特異点的存在だと言えます。

この20年間、日本国民全体の生活の「ゆとり」は増えも減りもしてきませんでしたが、今後どうしていくことが正解なのでしょうか。

前例がない今の状況を打開するためには、思い切った改革が必要なのかもしれません。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


参考文献:
e-Stat
研修機構
IMF

一覧へ戻る

ピックアップコンテンツ

  • 個別WEBセミナー
  • Fujitomi market news
  • 日本証券業協会
  • 証券・金融商品あっせん相談センター
  • リモートサービス