変異株(オミクロン株)と株価の変動
2021年11月29日
皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
南アフリカで発見された新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の影響で先週末の株式市場は、世界中で大幅安となりました。
現時点でオミクロン株の感染力や重症化リスクがどの程度なのかについてはWHOも解っていないようです。よく解らないことって恐怖ですよね。おばけとか幽霊が怖いのはよく分からないことが原因の一つだと言われています。
株式市場ではよく解らないものへの恐怖感からリスク回避の動きが活発になり、世界中で株安を招いてしまいました。
NY株式市場ではNYダウが905ドル安の34,899ドル、NASDAQ100が342ドル安の16,025ドル、S&P500が106ドル安の4,594ドルと3指数そろって値下がりしました。
今回の株安は通常のニュースでも取り上げられるほどのショッキングな出来事でしたが、先週末の値下がりは過去の値動きと比較してどの程度だったのでしょうか。
下のチャートは過去1年間の株価の動きを表したものです。
NYダウ
(出所:TradingViewによるNYダウチャート)
チャート下段に表示しているテクニカル指標はATR(Average True Range)です。その日の高値と安値、前日の終値の3点を比較し、その差が最大だったものが描写されています。通常は、14日間を平均化して利用しますが、日数を1日に変更すると1日あたりのどのくらいの価格変動が起きていたのかを知ることができるので、私は1日を好んで利用しています。
金曜日の価格変動幅は1,000ドル以上でしたが、過去1年間に1,000ドル以上動いた日はありませんでした。ただし、1日で800ドル以上動いた日で見てみると3月の前半、7月の中旬、9月の中旬にも起きていました。頻度で言うと3ヶ月に1回程度の頻度で起きていることがわかります。
NYダウ以外ではどうでしょうか。
NASDAQ100
(出所:TradingViewによるNASDAQ100チャート)
先週末、NASDAQ100のATRは378ドルでした。過去の変動と比べても特に大きな変動ではありません。
S&P500
(出所:TradingViewによるS&P500チャート)
S&P500の先週末のATRは116ドルでした。
こちらについても2ヶ月に一度程度の頻度で起きている価格変動だと言えます。
今回、株式市場の値下がりとオミクロン株の発見がセットで報道されたことによって株市市場がとんでもない事になってしまいそうな印象を受けた方も多かったかもしれませんが、過去のデータを元に調べてみると、金曜日の値下がりは、数ヶ月に一度、起きている程度の変動だったことが解ります。
相場がどのような値動きをしているのか。良く知ることでピンチをチャンスに変えることもできるかも知れません。
感謝祭のタイミングで大きく値下がりしましたが、価格変動の幅は「ブラックフライデー」というほどのものではなかったようです。
オミクロン株の感染力や重症化リスクがどの程度なのか。早く分析結果が知りたいですね。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。