保有資産の何%を運用していますか?
2022年04月01日
皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
先週から「2019年全国家計構造調査-総務省統計局」を使って、日本の家庭が持つ資産について分析していますが、今回は、資産運用について分析してみたいと思います。
前回「コラム:昔より資産は増えましたか?」で確認した家計が保有する資産は、2833.7万円でその内訳は、宅地資産が1614.2万円、住宅資産が395.7万円、金融資産が823.8万円でした。資産の内7割以上が不動産で占められ、金融資産は3割未満でした。
このデータをもう少し、細かく見ると、それぞれの資産がどのような内容のものなのかが解ってきます。
家計が保有する資産を細分化したものが次の表です。
家計資産の内訳(総世帯)
2019年 | |
家計資産総額 | 2833.7 |
純金融資産 | 823.8 |
金融資産残高 | 1279.7 |
金融負債残高 | 455.9 |
住宅・宅地資産 | 2009.9 |
宅地資産 | 1614.2 |
居住用 | 1355.5 |
非居住用 | 258.7 |
住宅資産 | 395.7 |
居住用 | 258.7 |
非居住用 | 73.5 |
出典:2019年全国家計構造調査-総務省統計局
不動産で保有する資産の内、宅地の84%、住宅の65%が居住用として利用されています。大部分が住むために利用されており、貸すために保有している不動産は少数でした。
宅地と住宅で居住用のズレが生じているのは、投資用・賃貸用にマンション・アパートを保有する人が一定数以上いるためだと考えられます。
先ほどの表から金融資産についても違ったものが見えてきます。金融資産823.8万円というのは、金融資産として保有している1279.7万円から、金融負債455.9万円を際し引いた金額です。
各世代別にその内訳がどうなっているのかをまとめたものが次のグラフです。
世帯主の年齢階級別家計資産構成(総世帯)
出典:2019年全国家計構造調査-総務省統計局
水色が金融資産残高、朱色が金融負債残高を表しています。水色の金融資産残高から朱色の金融負債残高を差し引いたものが純金融資産です。特長的なのが30歳代、40歳代は金融資産よりも金融負債の方が大きいと言うことです。純金融資産で言えばマイナスです。純金融資産がプラスになるのは50歳代に入ってからです。
住宅資産の金額が40歳代をピークに減っていることも特徴のひとつです。住宅の価値は建てた時がピークと言われていますが、そのことがデータにも表れています。
宅地資産を最も多く保有しているのは80歳以上の方でした。
では、肝心の金融資産はどのような形で保有しているのでしょうか。
それが解るのが次のグラフです。
世帯主の年齢階級別金融資産残高
出典:2019年全国家計構造調査-総務省統計局
資産のほとんどが預貯金と生命保険などで保有されており、有価証券で保有している割合は全世代平均で16%でした。
色々な考え方ができますが、預貯金が占める割合が大きすぎると私は思ってしまいます。60歳代以降平均して1,000万円以上の資産が家計にある訳ですが、それから得られる金利はいくらでしょうか。銀行によって異なりますが、某メガバンクの普通預金金利は、0.001%です。1,000万円預金していても100円しか増えません。
もしもの時のためにすぐに利用できる預貯金で保有している家計が多いと思いますが、急に現金が必要になるとしても1,000万円単位で必要になることはまず無いと思います。
極端な事を言えば、半年から1年程度の生活費を残しておいて、残りを有価証券で保有していても問題ないというのが私の考えです。
有価証券はすぐに現金化できないと誤解されている方がいらっしゃいますが、上場している株式や上場投資信託であれば、取引時間中に売却することができ、3営業日後には証券口座に入金されます。
不動産のように買い手を探して来なくても、取引所で取引されている流動性がある銘柄であれば、遅くても翌週には現金化できるはずです。
日本の家計が保有する資産は2833.7万円。その内有価証券で保有しているのは204.5万円なので総資産に占める有価証券の割合は7.2%でした。仮に有価証券の価値が10%増減したとしても全資産に与える影響は「7.2%×10%」でたったの0.72%でしかありません。
投資は怖いものだと教えられた日本人は多いと思いますが、何もしないで資産が増えないことの方が怖いことだとも考えられます。お客様が持つ有価証券の割合は7.2%よりも多いですか?
今日から4月です。いい機会なので現在の資産状況を確認した方が良いかもしれませんね。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。
・2019年全国家計構造調査関連情報