令和3年、ふるさと納税の利用者が552万人って多いの?少ないの?
2021年08月27日
皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
ところで皆さん、ふるさと納税って利用していますか?
一度でも利用したことがある人は毎年利用し、一度も利用したことが無い人にはハードルが高い。そんな制度ではないでしょうか。
7月30日に総務省がふるさと納税に関する統計データを発表しました。それによると、令和3年度課税におけるふるさと納税による控除実績は4311億円、控除適用者は552.4万人でした。
ふるさと納税に係る住民税控除額及び控除適用者数の推移(全国計)
出典:ふるさと納税に関する現況調査結果(概要)-総務省
ふるさと納税制度では前年のふるさと納税の寄付金額が翌年の納税から控除されます。したがって令和3年の552.4万人は、令和2年にこの制度を利用した人数になります。
グラフを見ると、右肩あがりで増加傾向にあることが分かります。
この人数は多いのでしょうか?それとも少ないのでしょうか???
ふるさと納税を利用すると利用額に応じて住民税が控除される制度です。したがって一定額以上の住民税を収めている人には恩恵があります。
昨年(令和2年)の住民税(所得割)納税者数は、5940万人でした。
この5940万人が、ふるさと納税を利用する権利を持った人です。しかし、令和2年の前年に当たる令和元年にふるさと納税を利用したのは、396.3万人しかいませんでした。
割合で言うと「わずか7%」です。
この年、ふるさと納税を利用する権利を持つ納税者の「93%」は利用しませんでした。
グラフにするとご覧の感じです。
ふるさと納税利用率(令和2年住民税(所得割)納税者)
※総務省データをもとにフジトミ証券が作成
ずいぶんと少なく見えませんか。
令和元年と比べると、令和3年のふるさと納税の利用者は、150万人増加しましたが、納税者全体から見れば数パーセントの変化でしかありません。
毎年12月になるとテレビやネット広告でふるさと納税関係の広告を目にする機会が増えますが、それでも90%以上の人がふるさと納税を利用していません。
せっかくの権利なのにほとんどの人がその権利を行使しない不思議な状況だと言えます。合理的に考えれば、利点があるのになぜ利用しないのでしょう。
・めんどくさい
・やり方が分からない
・制度そのものを知らない
・やりたくない
・(よく解らないから)怖い
やらない理由は人それぞれだと思いますが、上の5つがほとんどではないでしょうか。
ふるさと納税に限った話ではありませんが、そんなに難しいものではないのに、良く解らないから利用していないというサービスはたくさんあると思います。
特にITや金融分野には、色々とメリットがあるサービスや制度がありますが、自分で調べない限りたどり着くことはできません。
よく分からないものはとても怖いものですが、解ってしまえば大したことではないことがほとんどです。
何か新しいことに挑戦しようと考えている人は、まずはふるさと納税からスタートしてみては如何でしょうか。
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