リーマンショック以降の米雇用者数の変化
2019年04月08日
皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。
先週末、3月の雇用統計が発表されました。
注目の非農業部門雇用者数は事前予想の17.7万人増を大きく上回る19.6万人増となりました。
発表があった日本時間21時30分でしたが、発表直後の安値が111.50円、その後の高値が111.81円でしたので今回の発表を受けての変動は0.31円ほどでそれほどではありませんでした。
さて、トータルの非農業部門雇用者数は前月比で19.6万人と大幅増加になりましたが、産業別に見てみるとすべての業種で雇用者数が増加しているというわけではありません。
業種別の増減はご覧のようになっています。
雇用者数 | 先月比 | |
総非農業 | 150,816 | 196 |
総プライベート | 128,297 | 182 |
鉱業 | 757 | 2 |
建設 | 7,447 | 16 |
製造業 | 12,821 | -6 |
卸売業 | 5,917.30 | -2 |
小売業 | 15,798.40 | -12 |
輸送および倉庫 | 5,544.80 | 7 |
公益事業 | 555.1 | 1 |
情報 | 2,821 | 10 |
財務活動 | 8,638 | 11 |
専門・企業向けサービス | 21,350 | 37 |
教育ヘルスケア | 24,063 | 70 |
レジャー接待 | 16,679 | 33 |
他のサービス | 5,905 | 14 |
政府 | 22,519 | 14 |
連邦政府 | 2,796.00 | -2 |
州政府 | 5,194.00 | 4 |
地方自治体 | 14,529.00 | 12 |
ほとんどの産業は雇用者数が増えていますが、逆に減少してしまっている産業もありました。それが製造業、卸売業、小売業の3業種と連邦政府でした。
雇用統計は毎月発表され、アメリカの労働市場の状況を映し出している訳ですが、このデータを深く分析してみるとアメリカの産業の変化が見えてきます。
リーマンショックが発生したのが2008年9月ですので、早いものであれから10年以上の月日が経過しました。その2008年9月の雇用者数と先月の雇用者数を比較したものが下のデータです。
ブルーが2008年9月、オレンジが2019年3月の雇用者数ですが、この10年間で増えた産業とそうでない産業にはっきりと別れました。
・教育ヘルスケア 472万人増
・専門・企業向けサービス 365万人増
・レジャー接待 330万人増
・輸送および倉庫 106.2万人増
・製造業 45.4万人減
・情報 14万人減
リーマンショック以降、労働市場を支えてきたのは、教育ヘルスケア、専門・企業向けサービス、そしてレジャー接待といったものでした。逆に、製造業や情報といった昔からある産業は、その雇用者数を減少させており、人々が求めるサービスに変化が生じていることを物語っています。
成長する産業には人が集まり、衰退する産業には人が集まらなくなります。今後どんな分野に投資すべきなのか。雇用状況を参考指標にすることもできそうですね。
今日は、リーマンショック以降の雇用者数の変化についてお伝えしました。
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参考文献:
・Graphics for Economic News Releases-BLS
https://www.bls.gov/charts/employment-situation/employment-levels-by-industry.htm