バブルと銘柄選び
2022年05月09日
皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。
報道されていた渋滞情報や新幹線の乗車率などを見ると、久しぶりの連休を楽しんだ人が多かったように思います。みんなが遊びに行くということは、経済全体から見ると消費が行われている表れなので、遊べば遊ぶほど経済が活性化していきます。
「よく働き、よく遊べ」という言葉がありますが、遊びは誰かが働いているからできることです。よく遊んだ分、今日からまた働いて経済を活性化していきましょー。
さて、連休中、アメリカではFOMCが開催され、FRB政策金利が発表されました。
今回の決定でFRB政策金利は、前回よりも0.5%高い、0.75-1.00%に変更されました。一度に0.5%幅で引き上げられたのは2000年5月以来22年ぶりの出来事です。過去の政策金利を表したグラフが次のものです。
米政策金利
※Bloombergデータを元にフジトミ証券が作成
2000年5月、それまで6.0%だった政策金利が6.5%に引き上げられました。タイミングとしては、ITバブルが崩壊する直前でした。
当時、NASDAQ総合の値動きは次の通りでした。
NASDAQ総合
(出所:TradingViewによるナスダック総合指数チャート)
アメリカではIT企業の多くがNASDAQ市場に上場しています。
NASDAQ市場全体の値動きを表すNASDAQ総合は、2000年3月に付けた5,132ドルがピークで、その後2002年8月には、1,108ドルまで下落してしまいました。2年半で78%下落した計算です。
まさに「バブル崩壊」です。同じタイミングでNYダウはどうだったのでしょうか。
NYダウ
(出所:TradingViewによるダウ指数チャート)
NASDAQ総合と比べるとITバブル崩壊の影響が小さかったことがよく分かります。2000年1月に付けたNYダウのピークは11,750ドル、その後の安値が2002年10月の7,197ドルでした。ピークからの下落率は39%でした。チャートを見てもバブルが崩壊したようには見えませんよね。
それぞれの株価指数に1,000万円ずつ投資していたとすればNASAQ総合は220万円になってしまっていましたが、NYダウは、610万円残っていた計算です。バブルが崩壊したと聞くと、すべてが泡となって消えてしまう印象がありますが、実際には、大きく影響を受けた銘柄とそれほどの影響がなかった銘柄があった訳です。
現在、アメリカは政策金利の引き上げ局面ですが、今行われている利上げによってビジネスの縮小を余儀なくされる銘柄と影響が少ない銘柄に分けることができるはずです。お客様がポートフォリオを組んでいる銘柄は利上げの影響を受けやすい銘柄ですか?それとも受けにくい銘柄ですか?
最初のグラフでみた政策金利変動を見ると利上げ局面が終了するのは、始まってから2年も3年も先のことです。数年先にそのビジネスが成長している可能性が高いのかどうか。投資先選定のヒントになるかもしれません。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。