サヤ取りとSCO注文
2017年02月24日
みなさん こんにちは。
いっきゅうです。
今日から始まりました「プレミアムフライデー」。
月末の金曜日は早めに仕事を終わらせてパーっと遊びましょう!という素敵な企画を日本政府が考えてくれました。
昔は金曜日の朝から(というより前日から)気持ちがワクワクしたものですが、最近はそういう高揚感が無くなってたなあ、と思います。
これを機会に「ハナキン」(花の金曜日)復活といきたいところですが…
今回の施策について、「労働者の働き方改革」はもちろんですが、やはり期待されているのは「個人消費の拡大」です。
経団連会長の「プレミアムフライデー導入にはふたつの目的がある。第一は伸び悩んでいる個人消費を喚起すること…」という発言からも、どちらに重きを置いているかが分かります。
<政府によるプレミアムフライデー公式サイト>
https://premium-friday.go.jp/
ですので導入初日で目立つのは「メンズスーツ半額セール!」とか「ハッピーアワーでビール半額!」など、我々の消費を誘うタイアップキャンペーンの数々。
そのサービス業を営む企業が、自社の社員向けにプレミアムフライデーを導入しているかといえば…そう簡単にはいきませんよね。
自分事として考えてみても、もっと消費するためには、もっと稼がないといけないという悩ましいことに…
「お金はあるんだけど、使うヒマが無くて困ってたから、プレミアムフライデーって助かるよね」なんて、さりげなく言ってみたいと思ったプレミアムフライデー初日の朝でした。
さて相場ですが、今日は「サヤ取り」(スプレッド取引)についてです。
サヤ取りとは?
2つの異なる銘柄を組み合わせて、その価格差(サヤ、スプレッド)が広がったり縮んだりする動きを狙って売買する手法です。
まずはチャートをご覧ください。
東京商品取引所でのゴールド(金ミニ)とプラチナ(白金ミニ)の価格差の日足チャートです。
グラフの縦軸が「金vs白金」の価格差で、2015年の200円から現在は800円を超える水準となっています。
この価格差は「金価格-白金価格」で表示されていますので、本日の価格で計算すると
金4,515円-白金3,675円=840円
*東京商品取引所 金ミニ2017年12月限 白金ミニ2017年12月限の気配値から
となります。
この840円をひとつの価格に見立て、価格が上がる(価格差が広がる)と思えば「金買い+白金売り」を同時に行い、価格が下がる(価格差が縮まる)と思えば「金売り+白金買い」を同時に行います。
サヤ取りに適した銘柄の組み合わせというものがありまして、まず前提として、2つの銘柄の価格変動に相関性が強いことが必要です。
つまり片方が上昇するときには、もう片方も上昇する可能性が高い銘柄の組み合わせということになります。
例えば…
原油vsガソリン → 原油を原料としてガソリンが作られるので、原油が高くなればガソリンも高くなる
金vs白金 → どちらも希少価値のある貴金属として宝飾品や工業品に利用されるため値動きが似ている
上記の組み合わせは伝統的に取引がおこなわれているものですので、東京商品取引所ではサヤ取り用に特別な注文の仕組みが用意されています。
それが「SCO注文」です。
SCO注文の特徴は…
1. 売りと買いが同時に成立することが保障されている
2. 2銘柄間の価格差をひとつの商品に見立て、指値注文が出せる
「売りと買いが同時に成立」というところはとても重要です。サヤ取りは通常の発注方法でも取引できますが、その場合は成行注文でも指値注文でも”同時に”成立させられないリスクがあります。
また「価格差に指値ができる」というのもサヤ取りに必須の機能です。寝ている間に決済のチャンスを逃した、などということがありません。
SCO注文無しではサヤ取りで成功できない!と言っても過言ではないと思いますが、実はすべての取引会社が取引所提供のSCO注文に対応している訳ではありません。もちろん私がサヤ取りについて解説しているということから察していただけると思いますが、弊社フジトミの提供するオンライン商品取引システムFITS(フィッツ)はSCO注文の取扱いが可能となっております。
SCO注文を発注できるだけではなく、さらにFITSはサヤ取りトレーダーを強力にサポートする機能を豊富にご用意しております。
★サヤ相場表
★サヤ板情報
★サヤチャート
★SCO注文発注機能
★SCO値段シミュレーション機能
*画像は弊社FITS匠(PCアプリ版)のサヤ取り用カスタマイズ画面より
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本日ご紹介したサヤ取りですが、3月から新しい組み合わせが始まります。
それが「ゴールドスポットvsプラチナスポット」のサヤ取りに対応したSCO注文です。
東京商品取引所は2017年3月21日(火)に決済期限のないプラチナ(白金)取引を「プラチナスポット」の愛称で新規上場する予定で、これと同じく決済期限のないゴールド(金)取引「ゴールドスポット」を組み合わせることで、決済期限のないサヤ取りができるようになります。
これまでよりも長期スタンスでじっくりとサヤ取りができるようになりますので、新しくサヤ取りを始めるトレーダーが増えることも期待されています。
トランプ政権の先行き不透明さが解消されず、リスク回避先として一段と関心が高まっているゴールド市場ですが、違う視点からプラチナとの価格差にもちょっと注目しておいていただければ、チャンスが生まれるかもしれません。
それではまた。
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このコメントはいっきゅうの個人的な見解です。
売買を推奨するものではありません。
ご理解をお願いします。