サウジアラビアと原油価格とオイルマネー
2018年10月24日
皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。
23日、サウジアラビアでリヤドにて「砂漠のダボス会議(フューチャー・インベストメント・イニシアチブ)」が開幕しました。
カショギ氏殺害事件の影響から海外主要企業の幹部などの出席や公演が取りやめになったとのことですが、サウジが経済に与える影響はものすごく、サウジの国営石油会社であるサウジ・アラコムが交わした覚書の金額は約340億ドル(日本円で約3兆8000億円)にも及ぶそうです。
金額が大きすぎてイメージしにくいですが、この金額はサウジにとってどの程度の規模なのでしょうか。
サウジアラビアの名目GDPは2017年時点で6838億ドル(日本円で75兆9000億円)程です。2017年時点、サウジアラビアのGDPは世界で19番目の規模でした。
これまでのサウジアラビアのGDPの推移はご覧のとおりです。
サウジアラビアの名目GDP(2000年-)
出典:IMF
GDPの推移をみるとサウジアラビアのGDPが成長し始めたのが2000年代中盤からです。リーマンショックの影響からか2009年はマイナス成長になりましたが2014年まで成長し続けてきました。2015年、2016年は再びマイナス成長になりました。2017年からは再び成長してきています。IMFの予測では2019年以降も成長し続けるだろうとの見方になっています。
サウジアラビアと言われて真っ先に思い浮かべるのが原油ではないでしょうか。
GDPのグラフに原油価格をプラスしたものが次のグラフです。
サウジGDP+原油価格
出典:IMFなど
面白いほど両者はシンクロして動いています。
原油価格が上昇すればサウジアラビアのGDPが上昇し、下落すれば下落する関係性にあります。サウジアラビアの輸出に占める原油の割合は74.8%で全体の4分の3は原油によるものです。
原油価格の上昇はサウジアラビアの貿易収支を向上させます。そこから生まれた資金がサウジアラビアの経済を支えています。サウジアラビア国内での設備投資やオイルマネーが生み出す投資などサウジ経済は、世界中の企業に大きな影響を与えています。
現在、問題になっているカショギ氏の一件でサウジアラビアと距離を置く国や企業が増えていますが、今後どうなっていくのでしょうね。
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参考文献:
・IMF
https://www.imf.org/