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ガソリン車用触媒需要増加がパラジウムの高騰を招く

2019年01月18日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

以前もお伝えしましたが、パラジウムの価格がものすごく高騰しています。

パラジウム!?なんて言われてもピンとこないと思いますので、まずはチャートをご覧ください。

東京パラジウム-日足

ご覧のチャートは2018年以降のパラジウム価格の推移です。
1グラム3400円台でスタートした2018年の取引は年の前半にかけて緩やかに値下がりしていきました。8月の中旬、3000円の大台を割り込みましたが、その後は再び上昇し始め12月に4000円を上回りました。2019年に入ってからも価格高騰が続き、昨日は4,311円で取引を終えています。

昨日のパラジウムの終値は1グラム4311円だった訳ですが、それがどのくらいの価値なのか他の貴金属と比べてみると、金が4515円、白金2815円ですのでほとんど金と変わらない価格帯まで上昇してきました。現時点ではパラジウムの方が白金よりも1500円近く高い訳ですが、両者の価格が逆転したのは去年の夏場の出来事でした。

その頃の記事がご覧の記事です。

この記事を書いた頃はまだ白金とプラチナは同じぐらいの価格帯でしたが、わずか半年で大きく価格が開いてしまいました。こんなことになるなんて予測していましたか?
もしも去年の夏時点で白金価格の下落とパラジウム価格の高騰を予測して、ポジションメイクしていたとすれば、大きな利益となっていたでしょう。

もう少し期間の長いチャートで見るとご覧のような値動きになっています。
1グラム1000円を下回っている時期もありましたのでその時と比べると数倍まで上昇しています。

どうしてパラジウム価格が上昇したのかというと、それは需給バランスの問題が大きく関わっています。

トムソンロイター発表「GFMS プラチナ&パラジウムサーベイ」によるとパラジウム需要に供給が追いつかず、現物不足となっています。
2017年に発表された2018年の予測では年間総供給量が279.0トン、年間総需要量が320.3トンとなっていますので年間41.3トンも足りない。そんな状況になっています。

そもそもパラジウムの需要がこんなにも増加したのはなぜなのか。それは、自動車触媒用需要の増加にあります。自動車の排出されるガスに含まれる有毒汚染物質を触媒装置でフィルターすることによってクリーンな物質に化学変化させています。

プラチナ・パラジウム共に自動車の触媒として利用されている訳ですが、両者が得意とする車の種類は異なります。

プラチナはディーゼル車の触媒に長けており、パラジウムはガソリン車の触媒に長けています。

地球環境への配慮から排ガス規制問題は、ディーゼル車からガソリン車への乗り換えを加速させました。

下のグラフはドイツにおける自動車の新規登録台数の推移です。

燃料別新規登録台数(ドイツ)

※出典:VDA

自動車触媒需要は、プラチナ、パラジウム共に最も大きな需要なのですが、ディーゼル車販売台数の低下がプラチナ価格を押し下げる結果をもたらしてしまいました。

急激な技術革新でもない限り、触媒としての需要は今後も続きそうです。

今日は上昇を続けるパラジウム相場についてのお話でした。

なお、1月17日現在、東京パラジウムの証拠金は1枚90,000円です。
倍率は500倍なので、100円の値動きで50,000円の損益(※手数料を含まず)になります。

ご参考まで

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・プラチナ&パラジウムサーベイ2018
https://gold.tanaka.co.jp/market_data/plpd_2018_digest.pdf
・JETRO
https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/07/e8d90eb003539a00.html

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