オークション方式の価格形成メカニズムを考える
2016年11月17日
皆様、おはようございます。パソコン教室担当のワイワイです。
4営業日連続で市場最高値を更新していたNYダウですが、昨晩は小休止な展開となりました。
新政権への期待感から買いが先行し株価を引き上げた訳ですが、ここで一回休憩をはさむ形になりました。
株式市場も商品市場もそうですが、取引しているのは人間ですので、どんなに良い材料があってもその銘柄を買いたいと思う人が、「今出ている売りのレートで買う」と判断しない限り価格は上昇して行きません。
逆に言ってしまえば、良い材料がなくても「今出ている売りのレートで買う」人がいれば価格は上昇していきます。
ここ数日間の動きはトランプ政権への期待感から「ドンドン買って行こう。」との心理から上昇した相場なように感じます。
ちょっと細かな話になりますがオークション方式の市場(東京証券取引所の現物株・日経225先物や東京商品取引所の先物市場)でレートが決まるメカニズムについて説明します。
とある銘柄の板気配値が次のような状態にあったとします。
現在値は100円で100円には売り買い両方とも指値注文は出ていないとします。
この状態で、買い注文を出す場合、指値で出すのと成行で出すのでは、マーケットに与える影響が異なります。
例えば100円の指値や99円の指値で注文を出した場合、売り側の注文に相対する注文はありませんので、その注文は100円または99円の板気配値にプラスされます。
仮に100円の指値で5枚注文したとすると板気配値の状態は次のように変化します。
この100円の指値が約定するためには、誰かが売り注文を100円以下の指値注文を出すか、成行で売り注文を出して相対させない限り約定しません。
どちらかと言うと受け身の立場です。
元々現在値は100円でしたので、今回出した100円の指値はこの後約定しても価格に影響を与えなかったことになります。
それでは成行で出した場合はどうでしょう。
先ほどと同じように5枚注文したとします。
成行の買い注文は、今出ている売り注文と相対した場合に約定する注文なので、まず101円に出ている3枚の売り注文と約定します。残り2枚は1円切りあがった102円の売り注文とくっついて約定します。
結果、市場に登録されている板気配値は次のように変化し、現在値は102円に代わりました。
同じ5枚の注文ですが、現在値で指した指値注文ではレートに変動がありませんでしたが、成行で出した注文は現在値を102円まで引き上げました。
成行で出して自分でレートを引き上げても約定させるということは、さらに上昇するであろうとの思惑があるからですが、このあと、103円の売り注文とくっつく注文が出てくれば思惑どおりことが運んだことになります。
ザラバ市場ではこのようなことが行われています。
小休止となったNY市場。どこまで東京市場に影響を与えるでしょうか。。。。
全体の流れを客観的に見た方が良さそうな相場展開です。
さあ、木曜日です。
本日も素敵な一日になりますように。
このコメントはパソコン教室担当者ワイワイの個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。