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【第56回】 第10部 「行動ファイナンス」

2016.01.29

皆さん、こんにちは、小次郎講師です。

 

 

 

助手のムサシです。

 

★ [小次郎講師] ★
本日はいよいよこの連載も第10部入り。その最初は行動ファイナンス

☆ [ムサシ] ☆
行動ファイナンス、難しそうですね。

★ [小次郎講師] ★
まあ、出来るだけわかりやすく説明するので、入門編だと思って聞いてほしい。

【1.行動ファイナンスとは?】

☆ [ムサシ] ☆
そもそも行動ファイナンスってなんですか?

★ [小次郎講師] ★
「行動ファイナンス」とか「行動経済学」とか言われるが、経済学と心理学を一体化したもの。投資の世界ではトレーダーがどのような心理でトレードし、どんなときにどんな心理になるか、それが市場にどんな影響を及ぼすかなどを研究した学問だ。

☆ [ムサシ] ☆
やっぱり難しい。

★ [小次郎講師] ★
しかし重要。買った後に株価が急落したら怖くなって、われ先にと売りを出す。その投げ売りでさらに株価が下がる。みんなが投げたら、そこで価格は底打ちして反転する。これなど行動ファインナンスの典型。恐怖心により正しい判断が出来なくなるケース。

☆ [ムサシ] ☆
なるほど。

★ [小次郎講師] ★
2002年ダニエル・カーネマン博士行動ファイナンス理論でノーベル経済学を受賞した。『ロスペクト理論』と呼ぶ。聞いたことはないかい?

☆ [ムサシ] ☆
残念ですが。

【2.プロスペクト理論とは?】

★ [小次郎講師] ★
例をあげてみよう。

A社 毎月20万の給与
B社 毎月30万の給与 但し半年に1回の割合で、給与が出ないことがある。

★ [小次郎講師] ★
どちらの会社に入社したい?

☆ [ムサシ] ☆
決まっているじゃないですか。A社ですよ。給料が出ないなんてあり得ないです。

★ [小次郎講師] ★
なるほどね。そういった正しくない選択をすることがプロスペクト理論で実証されている。

☆ [ムサシ] ☆
正しくないんですか?

★ [小次郎講師] ★
実際にはB社に勤める方が圧倒的に有利。A社では年収240万円。B社では平均300万円となる。

☆ [ムサシ] ☆
えっ、そんなに違うんですか?

★ [小次郎講師] ★
A社では20×12ヶ月=240万。B社は半年に1回ということは年に2回給料が出ないことがある。残りの10ヶ月で出る給与を計算すると、30万×10ヶ月=300万

☆ [ムサシ] ☆
でも・・・安定していないですよね。やっぱり僕はA社を選びます。

★ [小次郎講師] ★
だね。その非合理さがまさにプロスペクト理論。

☆ [ムサシ] ☆
非合理だなんて。

★ [小次郎講師] ★
非合理さ。正しく計算すればB社の方があきらかに有利なのだから。しかし、人間には感情がある。その感情を加味すると、A社の方が有利となる。ここにビジネスチャンスや投資のチャンスが生まれる。大事なのはそこだ。

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