皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
助手のムサシです。
★[小次郎講師]★
本日は「両建て」の話。
☆[ムサシ]☆
両建てとは、具体的にどういうことを言うのでしょうか?
★[小次郎講師]★
一人の投資家が買い注文と売り注文を同時に持つことを言う。
☆[ムサシ]☆
買い注文と売り注文を同時に持つ?わかるようでわからないのですが、それに何の意味があるのですか?
★[小次郎講師]★
保険の意味がある。そこら辺を詳しく解説しよう。
☆[ムサシ]☆
よろしくお願いします。
【1、両建ての種類】
★[小次郎講師]★
一口に両建てと言ってもいろいろな種類がある。さや取りなども両建てのうちだ。
☆[ムサシ]☆
さや取りとは?
★[小次郎講師]★
異なる銘柄で片方は買い、片方は売りという取引をすること。
この場合も買いと売りとをワンセットで仕掛け、時期が来たらワンセットで手じまう。
このワンセットで行う取引がさや取りだ。
☆[ムサシ]☆
ときどき話題になりますね。
★[小次郎講師]★
限月がある銘柄では、同一商品でも、ある限月を買い同時に別の限月を売るという取引をセットですることもさや取りと言う。
☆[ムサシ]☆
限月とは期限の月のことですね。先物取引などでは期限がありますからね。
★[小次郎講師]★
さや取りに関しては別の回に話すとしよう。
今回のテーマは同じ銘柄の買いと売りを同時に持つこと。
☆[ムサシ]☆
それが保険の両建てなんですね。
★[小次郎講師]★
何度か名前を出しているウイリアム・D・ギャン氏はその理論の中で「両建ては禁止」とはっきり言っている。
私も基本的には両建て反対派だ。
しかし、条件次第では両建てが役に立つケースもないではない。
☆[ムサシ]☆
ちんぷんかんぷんです。
★[小次郎講師]★
ではまず保険の両建てから説明しよう。
☆[ムサシ]☆
お願いします。
【2、保険の両建て】
★[小次郎講師]★
先高を見込んで金を10枚買っている投資家がいたとする。買値は4500円としよう。
ところが、思惑外れて価格が下がってきた。今すでに4400円となっている。
☆[ムサシ]☆
100円の損ですね。金は1000g単位ですから、100円×1000g×10枚=100万円。
なんと既に計算上100万円の損が出てしまっています。
★[小次郎講師]★
だね。先高を見込んで買っているので、ここで手じまうのは残念だ。
かといってどれくらい下がるのか予想も付かない。
ということで、現時点で買いを決済するのではなく、別枠で10枚の売りを作る。
これが両建てだ。
☆[ムサシ]☆
10枚の売りというのは下げで利益を取れる取引ですね。
★[小次郎講師]★
そうだ。
☆[ムサシ]☆
とすると現在は金を4500円で10枚買い、4400円で10枚売りという取引をしているのですね。
★[小次郎講師]★
そういうこと。両建てには保険の意味があり、これから価格が下がれば、買いは損が広がるが売りの利益でその分損が補填出来る。
☆[ムサシ]☆
なるほど、両建てした後価格がさらに下がっても、その分売りで利益が出るので、現在既にある100円の損以上には損が広がらないわけですね。
★[小次郎講師]★
ということで英語ではヘッジ(保険)と呼ばれる。
☆[ムサシ]☆
でもいつまでもずっと両建てしていても意味がないですね。
いつまで両建てをしているんですか?
★[小次郎講師]★
下げが続いている間は両建てをしておく。やがてどこかで底打ちをする。
そしたら両建てをする必要がもうなくなるから、売りから決済する。
☆[ムサシ]☆
売りから手じまうんですね。
★[小次郎講師]★
すると売りの方は400円幅の利益となる。
☆[ムサシ]☆
10枚の400円幅となると、400円×1000g×10枚=400万円となります。す、すごい。
★[小次郎講師]★
喜んではいけないよ。その分買いの方でマイナスがあるのだからね。
☆[ムサシ]☆
ですね。でもその損も、これから減っていきますね。
【3、保険の両建ての光と影】
★[小次郎講師]★
ここで質問。今のケースで今後価格が何円まで回復すれば、売り買い合わせて損がなくなるか?
このケース、手数料のことはとりあえず無視して考えてほしい。
☆[ムサシ]☆
えーと、4500円まで上がれば買いは損がなくなりますよね。
でも売りの利益があるからそこまで上がる必要はないのかな?
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