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【第32回】 第6部 「追加のルール」 3

2015.07.17

皆さん、こんにちは、小次郎講師です。

 

 

 

助手のムサシです。

 

★[小次郎講師]★
本日も追加のルール。

☆[ムサシ]☆
楽しみです。

  【1、ナンピンとは?】

☆[ムサシ]☆
講師、タートルズの追加の話を聞きましたが、追加のルールでナンピンというのがありますが、それはどうなんですか?

★[小次郎講師]★
そうだね。
良い悪い、使える使えないの判定は後にして、一体どういう取引かというところから説明したい。

☆[ムサシ]☆
お願いします。

★[小次郎講師]★
ナンピンとは「難平」と書く。困難を平均化するというというところから来た言葉。
読み方はもちろん中国語、麻雀をやっている人は「平和」と書いて「ピンフ」と読むことはよく知ってるはず。

☆[ムサシ]☆
メンタンピンのピンフですね。

★[小次郎講師]★
麻雀をしない人に怒られるから、漢字の話はここまで。
相場用語で「ナンピン」とは、買いポジションをもった後に価格が下がったら、また追加で買うこと。

☆[ムサシ]☆
なるほど、よく、買い下がっていくとかいう言い方をしたりしますね。

★[小次郎講師]★
よく知ってるね。
逆に売りポジションを持った後に価格が上がって追加でまた売ることもナンピンという。

☆[ムサシ]☆
なんのためにそんなことをするんですか?

★[小次郎講師]★
ではその意味をお教えしよう。
例で話した方が早いので次の図を見てごらん。

★[小次郎講師]★
まず、2,000円で千株買いました。
その後値段が下がったので1,800円でさらにまた千株買いました。
これがナンピンだ。

☆[ムサシ]☆
わかります。

★[小次郎講師]★
これにどういう意味があるかというと、買値の平均値が下がる。

☆[ムサシ]☆
平均値が下がる?

★[小次郎講師]★
2000円で千株買い、1800円でさらに千株買いというのは実は1900円で2千株買っているのと全く同じだ。

☆[ムサシ]☆
そうですね。
なるほど、それで買値の平均値が下がるんですね。

★[小次郎講師]★
最初2000円で買った千株だけだったら、今1800円まで下がっているわけだけど、この後価格が上昇したとして、2000円まで上昇して初めて±ゼロ、利益になるためには2000円以上にならなければならない。

☆[ムサシ]☆
当然ですね。

★[小次郎講師]★
それに対して、上記の例のようにナンピンをすると、価格が1900円まで上昇した瞬間に損がなくなる。
もし、運良く価格が2000円まで上がったら2000株が100円の利益を生み出したことになるので、20万円の計算上の利益となる。

☆[ムサシ]☆
なるほど。

★[小次郎講師]★
つまりナンピンという方法のメリットは、取り返すのが早い。
それから上がったら利益も大きくなる。ということ。

☆[ムサシ]☆
なるほど、買値の平均値が下がっているし、千株から2千株に増えているので、圧倒的に利益が大きくなりますね。

☆[ムサシ]☆
ということはいいことづくめですね。

★[小次郎講師]★
というわけでもない。
私の尊敬するウイリアム・D・ギャン氏はこう言った。
「ナンピンは投資家が犯す最大の過ちである」と。

☆[ムサシ]☆
え?最大の過ち?最大の武器ではなくて?

★[小次郎講師]★
買った後に下がるというのは投資家にとって一番つらいこと。
でもナンピンをすれば平均値が下がる。平均値が下がるということは取り返しやすくなる。
さらに下がったらまた買う、さらに下がったらさらにもっと買うとすれば、どんんどん買値の平均値は下がる。
そこから価格が上がっていけば全部利益に変わる。

☆[ムサシ]☆
素晴らしいじゃないですか?

★[小次郎講師]★
ところが落とし穴がある。わかるかな?

☆[ムサシ]☆
落とし穴?

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