皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
助手のムサシです。よろしくお願いします。
★[小次郎講師]★
さて、今回からいよいよ第4部、仕掛けのルールに入る。
☆[ムサシ]☆
いよいよ「仕掛けのルール編」ですか?楽しみです。
第1「部資金管理編」、第2部「リスク管理編」、第3部「エッジのある取引編」を経て待望の第4部突入ですね。
★[小次郎講師]★
「仕掛けのルール」はトレーダーが一番興味を持つところだが、実は資金管理・リスク管理ができていないと成功しない。
そして「仕掛けのルール」は「エッジのある取引」という理論を身につけていなければやはり本物にはならない。
いいかな?
☆[ムサシ]☆
了解です。
【1、タートルズのエントリールール】
★[小次郎講師]★
タートルズのエントリールールは「新高値更新」および「新安値更新」。
新高値を更新することにより、買いにエッジが発生したと判断しエントリーし、新安値を更新することにより売りにエッジが発生したと判断しエントリーする。
☆[ムサシ]☆
新高値を更新したら買う、新安値を更新したら売るってことですね。
★[小次郎講師]★
具体的にエントリールールが二つある。順に紹介しよう。
☆[ムサシ]☆
シンプルですね。
あの大成功したトレード集団がこんなシンプルな手法を使っていたなんて。
★[小次郎講師]★
タートルズが追い求めていたのはトレードの規律、トレードの規律とは首尾一貫したトレードをいかに続けられるかということ。
実はそのためにはシンプルであることがとても大事。
タートルズ流トレードのひとつの極意は「シンプルさ」にある。
☆[ムサシ]☆
なるほど。
ところで、新高値の更新というのが株式その他でもエントリールールのひとつとしてよく聞きますが、なぜ、新高値を更新すると買いにエッジが発生するんですか?
【2、新高値更新で買いにエッジが出る理由】
★[小次郎講師]★
うん、いい質問だ。
そうやって仕掛けのルールに関してはどういうエッジがあるか?それがどれくらい有効なエッジかを常に研究し続けなくてはいけない。
私の友人にバブル期にゴルフの会員権を買った人間がいる。
☆[ムサシ]☆
ゴルフの会員権の話ですか?
★[小次郎講師]★
いいから、聞きなさい。
その男はゴルフもしないのに薦められてゴルフの会員権を買った。
当時150万で買った会員権がその後あれよあれよと上がってなんと2千万になってしまった。
☆[ムサシ]☆
150万円が2千万!?
★[小次郎講師]★
そんな話はバブル期にはいくらでもあった。4千万になった1億になったという話もある。
☆[ムサシ]☆
すごいですね。
★[小次郎講師]★
でも、いつまでも上がり続けるわけではない。
第一その男はゴルフをしない。我々友人は早く売って利益を確保するようにアドバイスした。
ところが本人は舞い上がってしまい、未来永劫その会員権は上がり続けると信じ込んでしまった。
☆[ムサシ]☆
そんなはずないのにね。
★[小次郎講師]★
バブルの時代というのは恐ろしい時代でね。
株式も未来永劫上げ続ける、不動産も未来永劫上げ続けるという、ありえない話を多くの日本人が信じきってしまったのだよ。
☆[ムサシ]☆
怖いですね。
★[小次郎講師]★
で、やがてその会員権価格も下げ始める。
ついに1800万になった。我々友人の強い説得に、その男もようやく心を動かし、じゃあ売るよとなった。
☆[ムサシ]☆
1800万でも十分な利益ですものね。
★[小次郎講師]★
しばらくして彼にあって、いくらで売れたかと聞いてみた。
するとまだ売れていないとのこと。
まだ売れていないってどういうことだと問い詰めたら、その男が会員権の業者に出した売り注文は指値の売り注文。その指値は2千万。
☆[ムサシ]☆
おっと欲張り。
★[小次郎講師]★
気持ちはわかる。
2千万まで上がった相場。一時的に下がっているとはいえ、すぐに2千万には戻るだろう。
だから今度2千万に戻ったら売ろうというのがその男の気持ち。
☆[ムサシ]☆
なるほど。
★[小次郎講師]★
ところが、価格はどんどん下がりだして、ついに1600万になった。
我々友人は早く売った方がいいよと薦め、その男はわかったと答える。
次に会ったとき、売れたかと聞くとまだ売れてないという返事。
☆[ムサシ]☆
いやな予感。
★[小次郎講師]★
その男はなんと1800万という指値で売り注文を出していたのだよ。
☆[ムサシ]☆
やはり。
★[小次郎講師]★
ところがそのうちに価格は1400万になってしまう。
成行注文で売れよと言ってもそれはできないとのこと。
なんでできないのかと聞くと、成行注文だと安い価格で売られてしまうと言う。
その後はその繰り返し、1400万のときは1600万という指値注文を出し、1200万になると1400万という指値注文を出す。
そして、最後にはそのゴルフ場は倒産して、その会員権は紙切れになったとさという嘘のような本当の話。
☆[ムサシ]☆
イソップ物語にでも入れてもらって永久に語り続けたいような物語ですね。
★[小次郎講師]★
このような信じられない話がバブル期には山のようにあった。
欲を張れば張るほど、破滅に向かうのだが、当事者はそれがわからない。
☆[ムサシ]☆
その話が「新高値エントリー」とどういう関係が?
★[小次郎講師]★
かつての一番の高値、それがこの会員権の話で言えば2千万。
その会員権を持っている人間はその価格をいつまでも覚えている。
そして、その価格をピークに価格が下降していけば、なぜあの2千万のときに売却しなかったんだろうと後悔する。
☆[ムサシ]☆
でしょうね。
★[小次郎講師]★
で、後悔した結果出てくる結論は「じゃあ、今度2千万になったら必ず売ろう」ということ。
ということで、直近の最高値の位置には指値の売りが殺到する。
☆[ムサシ]☆
なるほど。
★[小次郎講師]★
さらに価格が下がってたとえば1500万になったとする。
もはや、2千万にはとても届きそうもないとなったら、仕方なく、指値を1800万とか1700万に変更するやつが出てくる。
ということは価格が1500万から上昇していくと、それらの売り指値が次々に待ち受けていて、その売りもののために、上がったら売られ、上がったら売られと、なかなか本格上昇にならない。
☆[ムサシ]☆
なるほど。
★[小次郎講師]★
その指値の最大量の売り指値があるのが直近の高値、つまり2000万のところ、ここには大量の手じまい売りが指値で待ち受けている。
ということは、そこまで行ったら売られ、そこまで行ったら売られるということの繰り返し。
しかし、やがていつかはその抵抗線である2千万を突破する日が来る。2千万を突破したということは…
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