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【第14回】 第3部 エッジのある取引 「リスクリワード比率」

2014.10.17

皆さん、こんにちは、小次郎講師です。

 

 

 

助手のムサシです。よろしくお願いします。

 

★[小次郎講師]★
さて、今回は日本の投資家の弱点とその理由をお教えしよう。

☆[ムサシ]☆
弱点とその理由?それは是非、聞きたいです。

  【1、リスクリワード比率とは?】

★[小次郎講師]★
ムサシ君は「勝率」って知っているかい?

☆[ムサシ]☆
馬鹿にしてます?

★[小次郎講師]★
計算式も知っているよね?

☆[ムサシ]☆
馬鹿にしてますよね?「勝ちトレード回数÷全トレード回数」でしょ?誰でも知ってますよ。

★[小次郎講師]★
正解。馬鹿にしているわけではないぞ。
では「リスクリワード比率」って知ってるかい?

☆[ムサシ]☆
いえ、聞いたことないです。なんですか、それ。

★[小次郎講師]★
ほら、これが日本の現状だ。
実はトレードにおいて勝つための最低条件は勝率に対するリスクリワード比率が一定以上あるということなのだよ。

☆[ムサシ]☆
勝率に対するリスクリワード比率?

★[小次郎講師]★
日本のトレーダーは勝ちたい勝ちたいと思っていながら勝つためには何が必要かということをわかっていない。
それで勝てるはずがない。

☆[ムサシ]☆
教えてください。

  【2、勝つために必要な数字】

★[小次郎講師]★
勝つために必要な数字は「勝率」と「リスクリワード比率」
リスクリワード比率は勝率と同じくらい大事なのに、きちんと理解している人が少ない。
ちなみにリスクリワード比率とは「平均利益÷平均損失」

★[小次郎講師]★
平均利益とは、自分のトレードのうち勝ったトレードだけをピックアップして総利益を計算する。
それを勝った回数で割ると1回当たりの平均利益が出てくる。
平均損失はその逆。自分のトレードのうち負けたトレードだけをピックアップして総損失を計算する。
それを負けた回数で割ると1回当たりの平均損失が出てくる。

☆[ムサシ]☆
1回あたりの勝ちと負けの平均金額なんですね。
ということは仮に平均利益が平均損失より多いとしても負けることもあるわけですね。

★[小次郎講師]★
そうだ。仮に1回目に20万勝ち、2回目から10万ずつの負けが3回続いたとする。
平均利益は20万、平均損失は10万だが、結果は20万-10万-10万-10万=-10万と負けてしまう。

☆[ムサシ]☆
なるほど。でも、その数値がどうして大事なんですか?

★[小次郎講師]★
勝率が高くても負けることがあるというのはわかるね?

☆[ムサシ]☆
はい。勝率80%でも負けるときは負けます。

★[小次郎講師]★
逆に勝率が低くても勝つことがあるというのもわかるね?

☆[ムサシ]☆
はい。勝率30%で勝っているトレーダーを知ってます。

★[小次郎講師]★
ということで、勝率だけでは勝ちにつながらないのだが、それに一定以上のリスクリワード比率が加わると必ず勝てる。その表が以下のとおり

☆[ムサシ]☆
つまり勝率10%でもリスクリワード比率が9以上だったら必ず勝てる、勝率20%でもリスクリワード比率4以上だったら必ず勝てる・・・ということですか?

★[小次郎講師]★
そういうこと。

☆[ムサシ]☆
知らなかった。それなら確かに勝率と並んで大事な数字ですね。

★[小次郎講師]★
ところが勝率は誰でも知っているのに、リスクリワード比率はほとんどの人が知らない。
本や雑誌を見てご覧、「勝率80%の投資法」みたいな文字は躍っているけど、「リスクリワード比率3以上の投資法」なんて本はない。

☆[ムサシ]☆
確かに。

  【3、リスクリワード比率を知らないために起こること】

★[小次郎講師]★
勝つための要素のうち勝率しか知らないために、投資行動がゆがんでしまっている。そのために勝てない。

☆[ムサシ]☆
どういうことですか?

★[小次郎講師]★
たとえば、勝率を意識しているトレーダーだと想像してくれ。少しでも勝率をよくしたい、勝率をよくすることが勝ちにつながると信じている。
そういったトレーダーが何かの銘柄を買って、たまたま少し上がったとする、勝率を意識したトレーダーの投資行動としてはどうなりやすい?

☆[ムサシ]☆
えーと、今は少ないながら利益が出ているのですね?だったらすぐ利益確定します。

★[小次郎講師]★
だね。そのまま放置してもっと利益が上がることもあるが、利益がいくら上がろうと、勝率には関係ない。1回の勝ちには変わりないからね。
もし放置したことにより、今ある利益がマイナスになったら、勝率が下がる。

☆[ムサシ]☆
ということで、勝率を意識しているトレーダーはすぐ利益確定しちゃいます。

★[小次郎講師]★
では、今度は買って、少し下がってきた、計算上の損失が出ている。そういうときはどうだ?

☆[ムサシ]☆
我慢しちゃいますね。

★[小次郎講師]★
本来は早めに損切りするという選択肢もあると思うが、勝率を意識しているトレーダーはそうしない。
何故か、説明してごらん。

☆[ムサシ]☆
はい。だって我慢しているうちにマイナスがプラスになる可能性があるわけですからね。
早めに負けを確定するのはしたくないですね。

★[小次郎講師]★
でも、我慢するうちにマイナスが広がることもあるよね?

☆[ムサシ]☆
でもそれは、勝率には影響ないですよね?1万円の損も、100万円の損も負けの1回には変わらない。

★[小次郎講師]★
そういうこと。ということで、勝率を意識しているトレーダーの投資行動は、利益確定は早く損切りは遅くとなりやすい。
そのため、損大利小のトレードタイプになる。

☆[ムサシ]☆
あっ。

★[小次郎講師]★
トレードで勝つための鉄則に「損小利大」というものがある。

☆[ムサシ]☆
もちろん知ってます。
1回当たりの損は出来るだけ小さくし、利益は大きくとるということですよね。

★[小次郎講師]★
損切りは早めに、利は伸ばせるだけ伸ばすと、というのがトレードの鉄則。
ところがそれが日本人トレーダーは出来ない。なぜなら、「勝率」が大事なことは全ての人が知っている。
しかし勝率と並んで大事な「リスクリワード比率」はほとんどの人が知らない。

☆[ムサシ]☆
そうか。リスクリワード比率って確かにどれだけ「損小利大」が出来ているかって比率ですね。

★[小次郎講師]★
もう1回計算式を確認しよう。

★[小次郎講師]★
ということは1以上なら1回あたりの利益が1回当たりの損失より大きいということ。
つまり損小利大だ。そしてこの数値が1未満なら損大利小ということ。

このリスクリワード比率と勝率の関係がわかって初めてどういう状態が勝てる状態かわかる。

☆[ムサシ]☆
リスクリワード比率、大事ですね。

  【4、リスクリワード比率を意識しよう】

★[小次郎講師]★
そして、ここからが大事だが、リスクリワード比率がわかれば、勝率が50%未満でも勝てるということがわかる。

☆[ムサシ]☆
確かに。上の表で見ると勝率40%でもリスクリワード比率が1.5以上あれば勝てるってことですよね。

★[小次郎講師]★
勝率至上主義を是正することが日本人投資家を勝てる投資家に変えるためにとても大切なことだと思う。たとえばタートルズの平均的な勝率は・・・

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