4月6日(月)今週の商品相場見通し
2020年04月06日
フジトミ チーフアナリスト齋藤和彦より、4月6日の週の商品相場見通しをお送りします。
東京原油は、高値波乱の展開が予想されます。週末にかけて海外原油は期近限月中心に急伸しており、東京原油も期近中心に連騰をみせています。それを踏まえると、先限の上昇は全く、物足りない印象となります。ただし、海外原油の期先も上げ渋りをみせており、東京もヘッジ売りを浴びて上げ幅は限定的となっています。
それでも、東京原油先限の指標である北海ブレント期先9月限は2日合計で4ドル50セント以上も上昇しているだけに、東京原油もそれに合わせて、週明け早々、2万6000円台を回復し、2万7000円を意識した急伸も予想されます。
注目は6日に実施される緊急会合でしたが、9日に延期となりました。サウジとロシアが下交渉の段階で、この原油急落の原因を巡り対立したこと、今回予想される大規模な減産にアメリカも参加させるための時間的猶予を得るためとみられています。
緊急会合では、日量1000万バレルの減産が示されるとみられていますが、4月の世界の石油需要の減少幅が日量最大で3000万バレルとみられており、日量1000万バレルの減産でも不十分であることは明らかです。協調減産することは、アナウンス効果としては、大きな支援材料で、週末にかけての海外原油の急騰をもたらしていますが、緊急会合の結果を受け、知ったらしまいの下押しも想定され、9日の夜間取引からかなりの乱高下が想定されます。
アメリカは制度上、民間企業の減産を指示できず、またトランプ大統領は企業支援のため、現在の生産体制は維持して、将来的な経済回復を待ちたいと指摘しており、アメリカの消極姿勢が、緊急会合後の圧迫要因になるとみられます。
東京金は弱気なアメリカの雇用統計と、原油急騰を好感して大幅続伸しています。ただ、インドや中国の買い支えが全くないこと、その他貴金属の地合い悪化から週明けには下振れも警戒され、5600円台での買いは避けたいです。
東京ゴムは売りスタンス継続です。タイの外出禁止令の影響で、深夜のゴムの樹液採取ができない状況で、一部では供給不安も指摘されています。ただ、一時的な措置とみられ、それ以上にゴムの需要悪化は避けられず、週前半は売りをまた仕掛けたいです。
東京トウモロコシは10日に発表される需給報告を前にして、週前半に売りを仕込んでおきたいです。アメリカでのエタノール需要の悪化を警戒する弱い地合いに変わりありません。