NY金は急反落し、シカゴ穀物は急反発
- 2020/11/28
- 海外マーケット
(NY貴金属)
27日のNY金は、急反落し、1800ドルを大きく割り込んでいる。NY金期近12月限は前日比24.0ドル安の1781.9ドル、NY白金期近1月限は同4.0ドル安の970.3ドル、NY銀期近12月限は同79.8セント安の2255.3セント。
米国取引時間帯に入り、期近12月限の1800ドル、取引中心限月である期近2月限の1805ドル割れをキッカケにして、ストップロスの売りがヒットし、そのままズルズルと下値を探る展開を強いられた。感謝祭前に期近2月限は1800ドル台を維持していたが、1800ドルを割り込んだことで、底割れムードになり、結果的に期近2月限は1776.5ドルの安値を示現。その後は利益確定の買い戻しに1790ドル台まで買い直されたものの、1800ドルが大きな壁となり、1790ドル台までの出直りが精一杯。ファンダメンタルズ面では、欧米の製薬会社がワクチン開発を急ピッチに進めており、12月からワクチン接種の可能性が高まっていること、トランプ米大統領が12月14日の米大統領選挙人投票で、民主党のバイデン候補の勝利が正式に決定すれば、大統領を退任する意向を示したことなど、安全資産の後退から金は5か月振りの安値まで急落することに。12月に入ってもかなり厳しい状況が続くとの見方が支配的。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
27日のWTI原油は、反落しているが、清算値決定にかけて下げ幅を縮小している。WTI原油期近1月限は前日比0.18ドル安の45.53ドル、北海ブレント期近1月限は同0.38ドル高(2日分合計で0.43ドル安)の48.18ドル。RBOBガソリン1月限は同0.50セント安の126.60セント、NYヒーティングオイル期近1月限は同0.43セント安の138.49セント。
新型コロナウイルス感染拡大によって、欧州では軒並みロックダウンを延長している。また、米国でも感謝祭の外出制限が実施されるなど、石油需要の後退懸念が圧迫要因となり、電子取引の短縮取引時点から軟調地合いを強いられていた。しかし、12月からのワクチン接種の可能性が高まったことで、石油市場では再びワクチンに対する期待が高まり、結果的に下押しは買い場提供となり、下げ幅を縮小している。30日にOPEC総会、12月1日にはOPECプラスの会合が予定されており、特に1日のOPECプラスの会合が注目され、売りにくい状況ともいえる。日量770万バレルの協調減産の3か月の延長がすでにほぼ決定済みであるが。短縮取引のため、通常より1時間早く清算値決定を迎えた。
(CBOT大豆)
27日のCBOT大豆は、急反発。期近1月限は前日比9.25セント高の1193.25セント、期近3月限は同9.25セント高の1195.00セント。
南米の乾燥した天候に変わりなく、大豆の作柄悪化を警戒する状況から引けにかけて急伸している。序盤は瞬間的にマイナス圏に値を消す場面もあったが、米農務省が明らかにした週間輸出成約高が76万8100トンと、予想を下回る数字になったため。しかし、一時的な下げにとどまり、その後はコーンの強調地合いもあり、大豆も買い直されることに。週明けには改めて12ドルを試すことが期待されている。
(CBOTコーン)
27日のCBOTコーンは、急反発し、引けにかけて上げ幅を拡大、ほぼ高値引けとなった。期近12月限は前日比6.25セント高の426.25セント、期近3月限は同7.75セント高の435.25セント。
南米の乾燥リスクが引き続き、支援材料になっていたこと、メキシコ向けとして30万2160トンの成約が明らかになったこと、週間輸出成約高が167万トンの高水準となり、ファンダメンタルズの強さが改めて認識され、大きく買い直されていた。取引中心限月である期近3月限は4.35ドル台を上抜いており、週明けには4.40ドルを試すことも期待されている。南米の乾燥した状況に変わりないため、12月も引き続き、米国コーンへの引き合いが活発化するとみられており、先高を意識してファンドの積極的な買いが、高値引けの要因になった模様。短縮取引のため、通常よりも1時間15分早く取引は終了している。