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米長期金利の急上昇を嫌気してNY金は高値から急落

アナリスト プロフィール

齋藤和彦(Kazuhiko Saito)

株式会社フジトミ 情報サービス室
チーフアナリスト

独自の情報収集に基づく市場分析は業界屈指の実力。
日本大学大学院国際関係研究科を卒業後、商品先物取引業界に身を投じ、その才能を開花。
国内投資顧問会社にてシステムトレーダーとして実際にトレードに参加。現在は株式会社フジトミにて情報サービス室長「マーケット情報」の執筆を担当。日経CNBCをはじめ多数のメディアへ出演するなど幅広い方面で活躍中。
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商品市場情報

米長期金利の急上昇を嫌気してNY金は高値から急落

商品先物 有料マーケット情報
  • 2019/07/12
  • 齋藤
  • 海外マーケット

(NY貴金属)
11日のNY金は、高値から大きく値を崩し反落。NY金期近8月限は前日比5.8ドル安の1406.7ドル、NY白金期近10月限は同0.9ドル高の830.9ドル、NYパラジウム期近9月限は同29.0ドル安の1559.1ドル。
パウエル米FRB議長の議会証言と米FOMCの6月の議事録を受け、7月の米利下げがほぼ確実視されたこともあり、NY金は日本時間11日午前10時に1429.4ドルまで急伸した。しかし、NYダウは初の2万7000ドル台に乗せるなど急伸したこと、それによって米長期金利は2.10%台まで上伸。株高と金利上昇によって、7月の米FOMCでの利下げ観測がトーンダウンすることになり、米国の取引時間帯になると、1420ドルを割り込み、マイナス圏まで下落する動きをみせた。値動きの荒い展開が6月下旬以降、続いているが、今回もそれを継続している。米長期金利が2.13%台までさらに上伸すると、NY金は1410ドルを割り込み、下げ幅を拡大。結局、高値から20ドル以上も急落し、反落している。米長期金利によって、不安定な展開は今後とも続くとみられる。パラジウムは1600ドル示現後、利食い売りを浴びて急落した。目標達成感もあるが、1500ドル台での下値固めの様相とみられている。金とパラジウムの値崩れの割に、白金は底固い動きをみせていたが、株高を好感していたようだ。

(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
11日のWTI原油は、反落。WTI原油期近8月限は前日比0.23ドル安の60.20ドル、北海ブレント期近9月限は同0.49ドル安の66.52ドル。RBOBガソリン8月限は同1.57セント安の198.95セント、NYヒーティングオイル期近8月限は同1.24セント安の197.86セント。
米石油メジャーは暴風雨に備えて、メキシコ湾沖の原油生産を10日、3分の1近くに縮小しており、その原油の供給不安も影響してWTIとNY石油製品は上伸する場面もみせた。しかし、短期的な供給不安にとどまるとみられ、結果的には支援材料になり切れず。NYダウが最高値を更新するなど、米景気に対する期待から、石油製品の一段の上昇も期待されていたが、ここまでの急騰の影響で、ガソリン中心に需要の落ち込みが警戒され、利食い売りに反落し、2.00ドル割れを強いられることに。NY石油製品の下落を嫌気して、リンケージしているブレントの下落を嫌気して、WTIも値を消すことに。OPEC月報で、OPECの減産が指摘されたが、支援材料に評価されず。

(CBOT大豆)
11日のCBOT大豆は、小麦とコーンの急伸に追随して続伸。期近8月限は前日比3.50セント高の898.00セント、期近11月限は同3.75セント高の916.50セント。
米農務省の需給報告で、イールドは48.5ブッシェル(前月49.5ブッシェル)、机上の生産高予想は38億4500万ブッシェル(同41億5000万ブッシェル)、期末在庫は7億9500万ブッシェル(同10億4500万ブッシェル)。期末在庫は事前予想平均を下回ったものの、概ね予想された範囲で、発表後は知ったらしまいの売りを浴びて下落したものの、コーンや小麦の急伸もあり、下げは一服し、続伸する場面もみせた。売り買いが交錯する中、小麦とコーンの急伸を支援材料に買い進まれ、結果的には3営業日連続の上昇となった。

(CBOTコーン)
11日のCBOTコーンは、波乱含みの中、小麦急騰を好材料にして急伸している。期近9月限は前日比9.00セント高の444.00セント、期近12月限は同7.75セント高の447.25セント。
米農務省の需給報告で、イールドは166.0ブッシェル(前月166.0ブッシェル)、机上の生産高予想は138億7500万ブッシェル(同136億8000万ブッシェル)、期末在庫は20億1000万ブッシェル(同16億7500万ブッシェル)。作付面積や収穫面積の上方修正、そしてイールドの据え置きの影響で、机上の生産高は予想に反して大幅に上方修正され、供給増を背景にして期末在庫が事前予想の上限を上回る結果となったことを受け、今回の需給報告は弱い内容だったといえる。その発表を受け、シカゴコーンは発表直後に急落したが、その後、急ピッチな戻りをみせ、安値から一気に14セントも急伸する展開をみせた。小麦の急伸が支援材料になったとみられ、買い戻しを助長したとみられる。新穀12月限は4.30ドルから4.44ドルまで大きく切り返した。かなり弱い需給報告だったことを踏まえると、予想外の値動きをみせることに。ただし、8月には実地調査に基づく第一回生産高予想が発表されるなど、今回の内容を引きずる状況でもないため、小麦の急伸をキッカケにした買い戻しによる上昇も仕方ないとみられる。小麦は世界の在庫が下方修正され、それが事前予想を下回ったこともあり、世界的な異常気象による供給不安が再燃することになり、急伸している。また、上昇局面では民間の天気予報機関が来週の米コーンベルトのホット&ドライ予報を指摘しており、天候リスクを買う動きにつながり、新穀12月限は週明けの4.48ドルを引けにかけて上抜き場面もみせた。

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