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原油・穀物が揃って大幅安

アナリスト プロフィール

齋藤和彦(Kazuhiko Saito)

株式会社フジトミ 情報サービス室
チーフアナリスト

独自の情報収集に基づく市場分析は業界屈指の実力。
日本大学大学院国際関係研究科を卒業後、商品先物取引業界に身を投じ、その才能を開花。
国内投資顧問会社にてシステムトレーダーとして実際にトレードに参加。現在は株式会社フジトミにて情報サービス室長「マーケット情報」の執筆を担当。日経CNBCをはじめ多数のメディアへ出演するなど幅広い方面で活躍中。
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原油・穀物が揃って大幅安

商品先物 有料マーケット情報
  • 2017/08/11
  • 齋藤
  • 海外マーケット

(NY貴金属)
10日のNY金は地政学リスクを警戒した買いに大幅続伸となった。NY金期近12限は前日比10.8ドル高の1290.1ドル、NY白金期近10限は同9.8ドル高の985.9ドル。
1280ドル台での下値固めの様相から1300ドルを意識した買いが膨らみ、欧州時間帯で1290ドル台を示現している。連日の急ピッチの上昇に対する警戒もあり、1293.8ドルの高値示現後、上げ一服へ。ただ、1290ドル前後での下値固めの様相もみせていた。一時、急落していたNYダウが下げ幅をやや縮小したことも、金市場での利食い売りを誘ったようだ。金の急伸に乗じてパラジウムは一時905ドルまで急伸し、白金も連想で買い進まれていた。21日の米韓軍事演習に向けて、一層、米朝間の緊張が高まることが懸念されているが、その日柄を加味すれば、NY金の1300ドル示現も仕方なく、それも通過点との声も挙がっている。

(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
10日のWTI原油は一時上伸も、高値から大きく値を崩し、急反落となった。WTI原油期近9月限は前日比0.97ドル安のドル、北海ブレント期近10月限は同0.80ドル安の51.90ドル。RBOBガソリン9月限は同1.72セント安の160.28セント、NYヒーティングオイル期近9月限は同2.20セント安の163.13セント。
サウジの9月からの追加輸出削減を期待した買いに支えられ、堅調地合いをみせており、テクニカルな買いも加わり、一時、WTI期近9月限は50.22ドルまで急伸。7月下旬に示現した50.43ドルの高値に迫る動きをみせたものの、その後発表されたOPEC月報を嫌気して値崩れを強いられた。OPEC月報が発表した7月のOPEC産油量は17.26万バレル増の日量3287万バレルに。予想された内容であるが、世界的な原油の供給過剰を再認識することに。49ドル台を何とか維持していたが、世界的な株安を嫌気して、49ドル割れも強いられることに。48.57ドルまで下落したが、48.50ドルは今回も維持する動きをみせている。ただ、清算値決定にかけて売り込まれ、改めて48.50ドルを試している。

(CBOT大豆)
10日のCBOT大豆は大幅続落を演じた。期近9月限は前日比28.50セント安の937.50セント、新穀11月限は同29.75セント安の943.50セント。
注目の米農務省の第一回生産高予想で、米国大豆の生産高予想は43億8100万ブッシェル(イールドは49.4ブッシェル)で、事前予想上限の43億0700万ブッシェル(同48.0ブッシェル)を大きく上回った。トレンドイールドは48.0ブッシェルで、これを大きく上回ったこともあり、大豊作を連想させることに。発表前のシカゴ大豆は乾燥リスクを踏まえて強い内容が示されるとの見方もあり、10セント以上の急伸をみせていたが、失望売りを浴びて、高値から40セント以上も急落している。供給増を受けて、米国大豆の2017年度の期末在庫は4億7500万ブッシェルとなり、事前予想平均の4億2400万ブッシェル、前月発表の4億6000万ブッシェルを上回ることに。大幅な供給増の割に、在庫の伸びは限定的だったが、価格下落による需要増を米農務省は想定しているようだが、かなり楽観的な需要見通しともいえる。さて、イールドに関して、予想外の結果となったが、今後、クロップツアーが実施され、そこで今回の数字の整合性が問われることになるだろう。

(CBOTコーン)
10日のCBOTコーンは弱気な米農務省発表を受けて急反落している。期近9月限は前日比12.75セント安の359.50セント、新穀12月限は同13.00セント安の373.25セント。
米農務省が発表した第一回生産高予想で、米国コーンの生産高予想は141億5300万ブッシェル(イールドは169.5ブッシェル)で、事前予想平均の138億5500万ブッシェル(同166.2ブッシェル)を大きく上回っている。トレンドイールドの170.4ブッシェルに近い水準で、6月から8月上旬にかけての乾燥した天候のダメージはほとんどなく、ほぼ平年並みの作柄が期待されるという内容が示された。当然ながら、市場は乾燥リスクのダメージを反映した強気の数字を期待しており、発表前には上伸していたが、高値から15セント以上も急落し、新穀12月限は3.80ドルを大きく下回ることとなった。2017年度の米国コーンの期末在庫は前月の23億2500万ブッシェルから下方修正され、22億7300万ブッシェルとなったものの、事前予想平均の20億3000万ブッシェルを大きく上回っており、弱気な内容となった。米農務省の今回の発表に対する懐疑的な見方が少なくなく、9月以降の生産高予想で、下方修正が繰り返されるとの見方も出ているが、8月下旬に実施される予定のクロップツアーが試金石になりそうだ。いずれにせよ、この極めて弱い内容は無視できず、週末にかけての軟調地合いを警戒する声も挙がっている。

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