海外マーケット(NY金は続落も、清算値決定後に上伸へ)
NY金は続落も、清算値決定後に上伸へ
- 2022/07/02
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(NY貴金属)
1日のNY金は、続落するものの、週末要因のポジション調整もみられ、安値から20ドル以上、水準を切り上げている。NY金期近8月限は前日比5.8ドル安の1801.5ドル、NY白金期近10月限は同24.0ドル安の871.3ドル、NY銀期近9月限は同68.5セント安の1966.7セント。
米長期金利が大きく低下する中、本来、金の支援材料とみみられる金利低下が買い材料にならず。その結果、失望売りが膨らみ、欧州取引時間帯半ばに1783.4ドルまで急落した。将来的な利上げ観測とインドの金の輸入関税引き上げが売り材料に。インドは貿易赤字解消のため、金の輸入関税を7.5%から12.5%に引き上げている。中国での金の購買意欲の低下もあり、実需の買いが期待薄で、これも売り材料に。ただ、米長期金利が2.88%台まで急低下したこともあり、金は大きく買い戻しされ、清算値決定後にはプラス圏回復もみせている。来週は米FOMC議事要旨の公表、米雇用統計もあり、インフレ懸念から売り直されることも警戒されている。白金は欧州での需要悪化懸念から850.1ドルまで急落するなど、大幅続落となった。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
1日のWTI原油は、急反発し、期近8月限は109ドル台まで急伸した。WTI原油期近8月限は前日比2.67ドル高の108.43ドル、北海ブレント期近9月限は同2.60ドル高の111.63ドル。RBOBガソリン8月限は同15.15セント高の368.78セント、NYヒーティングオイル期近8月限は同10.84セント高の393.89セント。
注目のロイター通信による6月のOPECの産油量が明らかにされた。OPECプラスの増産計画に入っているOPEC10か国の6月の産油量は日量2461万バレルで、増産計画の日量2586.5万バレルから大きく下回っている。特にサウジの増産は小幅にとどまっており、前月比5万バレル増の日量1055万バレルにとどまった。計画では日量1066.3万バレルとなっている。ちなみにUAEは5万バレル増の日量308万バレルで、計画の307.5万バレルに相当する。週末要因の調整高をみせていたが、この発表をキッカケにして、再びサウジの増産余力に対する警戒が高まり、急伸へ。NYガソリンの急伸も支援材料に。その後は週明けの米国市場の休場を前にした利益確定売りも出て、上げ一服。
(CBOT大豆)
1日のCBOT大豆は、新穀11月限中心に大幅続落となり、新穀11月限は今年2月4日以来の安値水準まで急落している。期近8月限は前日比50.00セント安の1510.50セント、新穀11月限は同62.75セント安の1395.25セント。
週明けのシカゴ穀物市場は米独立記念日のため休場となる。この3連休の米コーンベルトは降雨が断続的に予想され、大豆の生育にとってもかなり理想的といえる。そのため、売りを浴びることに。特に前日、作付面積の発表を好感して一時急伸したこともあり、売られ易い環境も影響し、新穀11月限は前日の米農務省の発表後の高値から1ドル以上も急落している。それだけ、米コーンベルトの天気予報は申し分ないとみられている。原油相場に追随する展開をみせてきたが、この週末は全く対照的な展開となった。
(CBOTコーン)
1日のCBOTコーンは、波乱含みの中、新穀12月限中心に続落している。期近9月限は前日比9.25セント安の619.50セント、新穀12月限は同12.75セント安の607.00セント。
欧州取引時間帯の序盤にシカゴコーンは上伸する動きをみせた。シカゴ小麦の急伸に合わせて買い直されたもので、前日、30セント以上も急落したことに対する自律反発となった。小麦はウクライナからの供給不安が再度、支援材料に。ただ、米国取引時間帯に入り、小麦は急落することに。3連休中に米冬小麦の収穫が急ピッチに進展するとみられること、北米や欧州での小麦の増産観測もあり、荷圧迫で急落へ。コーンも米コーンベルトの23連休中の断続的な降雨予報を嫌気して値を消すことに。新穀12月限は前日の安値を大きく下回り、6ドルを試す水準まで急落した。3連休明けも米コーンベルトの天候次第。